写真●Jストリーム代表取締役副社長の石松俊雄氏
写真●Jストリーム代表取締役副社長の石松俊雄氏
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 2008年11月5日、都内で開催された「NETMarketing Forum Fall 2008」でJストリーム代表取締役副社長の石松俊雄氏(写真)が「ブランド価値創造におけるリッチコンテンツ活用の意味と成功の秘訣」と題して講演した。

 1997年からネット動画を配信するなど、リッチコンテンツの配信で多くの実績を上げている同社が着目しているのが「Webブランディングにおける“クロスデバイス”という発想」だという。

 同社の独自調査では95%のユーザーが、企業サイトはパソコン向けとケータイ向けの両方が開設されていることが望ましいと答えたという。石松氏は「パソコンサイトは商品・サービスについて詳しく知りたいとき、ケータイサイトは手短に情報を知りたいときに使われる」と説明した。それぞれのデバイスに合ったコンテンツの展開が、ブランディングの上では重要になるとした。

 また、企業サイトのブランディングでリッチコンテンツが生きるポイントとして「価値の共有」「価値の体感」「価値への共感」の三つを挙げた。石松氏は、「商品・製品を手に取ってもらう前に、商品のイメージをリッチコンテンツで体験してもらい、共感を生むことで愛着が醸成できる」とポイントを説明。サイトを訪れたユーザーをもてなす、「Webホスピタリティ」がブランド価値を高めると主張した。

 次に、ユーザーにブランド価値を与え、共感を得ることに成功した四つの企業の事例を紹介した。まず、釣り具用品を販売するシマノが開設した動画サイト「SHIMANO TV」について説明。元々顧客に配布していた釣りに関する動画を収録したDVDが好評だったことを受けて、同サイトを開設した。商品の紹介とともに使い方を説明する動画などを公開した結果、「シマノらしい」、「新商品開発に熱心」といった意見が寄せられ、想定していたアクセスの10倍を達成したという。

 そのほか、スノータイヤの効果をバーチャルな空間で体感できるコンテンツや、第三者に試乗してもらいその意見を動画で公開する日本ミシュランタイヤのサイト「X-ICE TV」、製品コンセプトの「やさしさ」を伝えるリッチコンテンツを展開した小林製薬、BtoB向けに高い技術の製品を提供している印象を、リッチコンテンツで与えることに成功した三菱電機の事例などを紹介した。