米Microsoftは2008年10月最終週に開催した開発者向け会議「Professional Developers Conference(PDC)2008」を,将来版クライアントOS「Windows 7」の特徴的な表面をなぞる場として使った。これに対し,11月5日(米国時間)開幕のハードウエア開発者向け会議「Windows Hardware Engineering Conference(WinHEC)2008」では,Windows 7の基盤である深い部分を紹介する。初日の基調講演は,Windows 7だけでなく,Windows 7のサーバー版OSとなる「Windows Server 2008 Release 2(R2)」も取り上げた。

 Microsoft上級副社長のJon DeVaan氏は「Windows 7の開発を進める際,当社のハードウエア・パートナに新たなシナリオを提示しようと多くの力を注いだ。その結果,パートナによる革新的な成果を本日みなさんに紹介できる」と述べた。「Windows 7は,ハードウエア開発者にさまざまな機会を提供する。こうした技術革新により,ハードウエア・パートナは多彩なコンピューティング環境で顧客により多くの選択肢を提供できるようになる」(DeVaan氏)。

 WinHECはハードウエア寄りのカンファレンスであることから,MicrosoftがWindows 7のハードウエア面を宣伝するのは当たり前だ。事実,Windows 7の「Devices and Printers」「Device Stage」「Windows Touch」といった機能や,モバイル・ブロードバンド機能とハードウエア・センサーの統合を紹介した。

 DeVaan氏は午前中の基調講演で,同じハードウエア構成のパソコンならWindows 7の方が評判の悪い先代OS「Windows Vista」より若干早く起動する様子を見せた。同氏によると,Windows 7の開発が進めばさらなる高速化が可能であるという。そのほかに,Windows 7の方がWindows Vistaに比べ安定しているにもかかわらず,消費するメモリー量が少ないこともデモンストレーションした。

 Microsoftは,Windows Server 2008 R2についてもマルチコア/多コア・プロセサ対応や電力管理機能の改良など,ハードウエア面の進化を強調した。同社は10月6日に詳しい情報を公表する。