米Sun Microsystemsと米IBMは,OpenOffice.org Conference 2008を開催中の北京で現地時間2008年11月5日,新たなオープンソース・ソフトウエア・コミュニティ・プロジェクト「OpenDocument Format(ODF) Toolkit Union」を立ち上げると発表した。ODF形式のドキュメントを処理するためのAPIやツールを提供し,ODFを利用したビジネス・アプリケーションの開発を促進する。

 最初の取り組みとして,ODFドキュメントの読み書きや操作を行うためのAPIと,ドキュメントがODF仕様に準拠しているかを検証するツール「ODF Validator」をSunが提供する。

 開発者は,同プロジェクトが提供するAPIやツールを使うことで,ODF形式を利用した様々なアプリケーションを作成できる。例えば,ドキュメントからのデータの抽出や検査,ドキュメントの自動生成や変換,ビジネス・ワークフロー処理,Webベースのドキュメント処理などでの利用が考えられる。

 ODFはワープロ文書,表計算,プレゼンテーションといったドキュメント・ファイルの形式を定めたXMLベースのオープンな仕様。OASIS(Organization for the Advancement of Structured Information Standards)が標準化を行い,ISO/IEC 26300として国際標準に定められている。

 ODFは特定のベンダーが管理しているわけではないので,囲い込みを防ぐことができ,様々な用途で利用できると両社は主張する。ODF Toolkit Unionへの他社の参加や貢献も歓迎するとしている。

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