写真●アユダンテ プロデューサーの大内範行氏
写真●アユダンテ プロデューサーの大内範行氏
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 無償かつ高機能。Google Analyticsはいまやウェブマスター必修のツールである。しかしながら,その豊富な機能ゆえに効果的な活用方法を独自に習得するのは至難の業だ。2008年11月5日開催の「NET Marketing Forum Fall 2008」特別セミナーのアユダンテ プロデューサーの大内範行氏による「Google Analyticsを活用したSEOの実践」には,攻めのアクセス解析を望んで多くの視聴者が集まった。

 まず大内氏は,Google Analyticsの機能をサイトの新規ユーザーを取り込むためのキーワード選びに絞って解説した。検索エンジンからピンポイントでサイトに訪れる新規ユーザーは少なく,いわゆる「いちげんさん」的な訪問にとどまるのでは?という認識は誤解だという。検索エンジンのユーザーでもリピータは多いという事実を各社検索サイトの特徴解説に絡めて解説した。

 引き続き,本題であるGoogle Analyticsのトラフィックメニューからキーワードに関する測定機能の詳細を述べ,こうしたユーザーを呼び込むためのキーワード最適化手法を紹介した。

 解説の中で大内氏は「体重70キロは太っているのかどうか,基準がわからなければ判断できないように,キーワードに関わるトラフィックから数字を読み取る際も基準の設定,軸の取り方が重要」と述べ,Google Analyticsを案件ごとにどう活用すればよいのかについて提案していった。

 さらに,検索サイトをブラウザの「お気に入り」代わりに使う習慣のあるユーザーの存在に着目。リピータ率が高いキーワードは固定客向け,といったようにキーワードはユーザーの活用状況によって分類可能であることを示した。そしてこうした用途に考慮しつつ検索サイトを使ったアクセス向上の具体的な手法を紹介した。

 また,ユーザーがアクセスした瞬間サイトから離れてしまう「直帰率」の数値から読み取れる情報にも話題を展開。直帰率をキーワードの質を判断する材料として活用する方法を手ほどきした。

 中盤では,サイトに含めるべきキーワードの検討手段として知っておきたい,単語とその印象の違いといった実践的な内容に触れた。アクセス数向上からコンバージョン率の向上を目指す方法の解説では,「買わない理由の第1位はユーザーが支払い方法や配送方法など,わからないことにぶつかること」と指摘。こうした状況を打開する仮説を得るため,Google Analytics活用の基本は「まずは目標(ゴール)を設定すべし」としてその手法を語った。

 大内氏は,ゴールを設定することの意義と,サイト離脱率の原因を追求する方法を,事例を紹介しながら説明した。「離脱率をもとにページのレイアウトなどの改善策を練ることは実はあまり有効ではない」として,具体的な改善策とその結果を紹介し,そこから導かれる教訓を紹介した。

 最後に,来年にかけ,段階的に機能が追加される見通しだというGoogle Analyticsの新機能を解説して,これらの使いかたを解説しながら,効果が期待できる使いどころについて紹介。さらに,広告の効果をリアルタイムに集計する場合など,より高度な要望に対しては国内製品の採用も検討できるとして,それらの製品を一覧で紹介し,締めくくった。