写真1●サイバー・コミュニケーションズでアドマーケットプレイス推進本部AMP戦略企画部部長を務める宮一良彦氏
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写真2●サイバー・コミュニケーションズでマーケティング・ソリューション本部WEBソリューション部部長を務める工藤達之氏
写真2●サイバー・コミュニケーションズでマーケティング・ソリューション本部WEBソリューション部部長を務める工藤達之氏
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 「広告配信にかかわる全プレーヤをつなぐ広告プラットフォームは,時代の必然だ」---。インターネット広告基盤サービスを手がけるサイバー・コミュニケーションズ(cci)は2008年11月5日,「NET Marketing Forum Fall 2008」で講演。広告業界の最新動向を報告するとともに,広告業務支援製品や動画配信製品など,同社製基盤製品の最新動向を説明した。

 冒頭で広告業界の動向を報告したのは,cciでアドマーケットプレイス推進本部AMP戦略企画部部長を務める宮一良彦氏である(写真1)。宮一氏はまず,広告ネットワーク市場が拡大している点を指摘した。Googleなどの巨大勢力が規模を拡大しているだけでなく,広告市場に参入するポータルや広告代理店といったプレーヤの数が増えているほか,媒体社が手がけるバーティカル(垂直型)事業としての広告ネットワークが立ち上がりつつあるという。

 さらに,規模とプレーヤの拡大に加え,広告配信技術も進化しているという。例えば,消費者と広告を適切にマッチングさせるターゲッティング技術である。形態素解析を用いたキーワード抽出が広まっているほか,Webサイトのアクセス履歴など従来であれば追跡できていなかったユーザー属性を利用するようになっているという。課金方式も,インプレッション保証型やクリック課金型に加え,成果報酬型なども登場し,広い需要に応えられるようになっているという。また,かつては私的な利用が中心だった動画配信も,現在では広告媒体として成熟しているという。

広告配信プラットフォーム製品が重要

 宮一氏は,こうした広告配信市場の成熟により,広告配信のプラットフォーム戦略が重要になっていると指摘する。製品やサービスとして何を使うか,という問題である。宮一氏は,広告配信にかかわる全てのプレーヤをつなぐことが可能な製品が時代の必然である,と結論付けた。

 講演の後半では,同社が手がける2つの製品を紹介した。まず宮一氏が,キャンペーン広告のライフサイクルを統合管理する製品「AD-SCRUM」の機能を紹介。次に,cciでマーケティング・ソリューション本部WEBソリューション部部長を務める工藤達之氏(写真2)が動画配信製品「Brightcove」の機能を紹介した。

 宮一氏から講演を引き継いだ工藤氏は,広告を目的とした動画配信の最新動向をレポートした。米国の現状は,(1)1本のオンライン動画の平均再生時間が2.8分,(2)オンライン・ユーザーの52%は自宅でオンライン動画を視聴する時間が10分以下,(3)視聴者は平均して7分間に2.4本の動画を見ている---という。現状では,短時間の動画クリップの人気が高いという特徴がある。

 今後の広告動画の動向としては,単独で広告動画コンテンツを配信することによってプロモーション効果を得るのではなく,Webサイトを構成する部品の一つとして,Webサイト全体の価値を高めるブランディングの一環として動画を位置付ける使い方が増えるという。