写真●オーバーチュアのマーケティングディレクター,山口有希子氏
写真●オーバーチュアのマーケティングディレクター,山口有希子氏
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 2008年11月5日,都内で開催された「NET Marketing Forum Fall 2008」でオーバーチュアのマーケティングディレクター,山口有希子氏(写真)が講演,2008年9月16日に同社が提供を開始したクリック課金型広告「インタレストマッチ」(関連記事)の概要を説明した。

 従来の検索連動型が,ユーザーが入力した検索語を使って広告とのマッチングを行うに対し,インタレストマッチはユーザーが過去から今までに閲覧したコンテンツの内容や直近に入力した検索語,ユーザーのプロファイル情報などを使って,ユーザーが興味を持つ分野を推測し,広告とのマッチングを行う。「ユーザーの本当に欲しい情報は何なのか」(山口氏)をテーマに開発した。

 同社が「興味関心連動型広告」と呼ぶこの方式を勧める根拠として山口氏は,「検索時間は6%,閲覧時間は94%」という実測データを紹介。「最近の動向として,PV数が伸びない一方,PVあたりの閲覧時間は伸びている。閲覧時間をどう活用するかが大変重要になってきている」(同)。

 この仕組みを実現するために,オーバーチュアとヤフーは複数の技術を共同開発した。従来よりも詳細なコンテンツ分析,過去に閲覧したコンテンツの内容をどう分析するか,入力キーワードを含め,現在のページにユーザーがたどり着いた経緯をどう取り込むか,といった技術である。

 この新しい仕組みを有効活用すれば,ユーザー自身が自覚していないような潜在ニーズも引き出すことができるという。「目指すイメージは,サザエさんに出てくる(酒屋の御用聞きの)三河屋さんが近いのではないか」(山口ディレクター)。「そろそろ醤油が欲しいのではないですか?」と,サザエさんのニーズを推測して動くところが似ているのだという。