図1●60GHz帯と現行の無線LANの帯域の比較
図1●60GHz帯と現行の無線LANの帯域の比較
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図2●実用化時の利用イメージ
図2●実用化時の利用イメージ
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 富士通,沖電気工業(OKI),国際電気通信基礎技術研究所(ATR)は2008年11月4日,60GHz帯を用いた伝送速度3Gビット/秒の超高速無線LANシステムを開発し,基本動作を確認したと発表した。このシステムは,情報通信研究機構(NICT)の委託研究「超高速ギガビット無線LANの研究開発」として開発支援を受けている。

 60GHz帯は,無線局免許を必要とせず,7GHz幅という広い周波数帯域を利用できる(図1)。今回,この広い帯域を利用して3Gビット/秒という超高速伝送を可能にした。

 このシステムでは,3社のそれぞれが開発した要素技術を組み合わせることで実現している。具体的には,「60GHz帯でのOFDMを用いた変復調技術」(富士通),「時空間メディアアクセス制御技術」(OKI),「セクタ切替型アンテナ技術」(ATR),「電波のゆらぎを利用した鍵生成・共有技術」(ATR)を利用している。

 今回開発した技術では,家庭やオフィス,公衆無線LANなどの場面で,複数ユーザーに対して音楽や映像などのマルチメディア・データを送信するといった利用シーンを想定している(図2)。

 なおこの技術は,2008年11月6~7日に京都府のATRで開催する「ATR/NICTオープンハウス2008」の「超高速ギガビット無線LANの研究開発」展示ブースで公開される予定。

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