キヤノンITソリューションズは,中小企業向けスパム対策アプライアンス「SpamChecker」の新版を,2008年11月4日に出荷した。新たに,メール・スキャンにかかる時間を削減する工夫を凝らし,使い勝手を高めた。価格は,同時コネクション数で50ユーザーまでが25万円(税別),100ユーザーまでが35万円(税別)。開発会社はオーストラリアのNetBox Blue。

 SpamCheckerは,アクセス透過型で動作する,POPプロキシ型スパム対策アプライアンスである。POP3クライアント(メーラー)とPOP3サーバー(メール格納サーバー)とのアクセス経路上にインライン設置して運用する。POP3クライアントがPOP3サーバーからメールをダウンロードするタイミングでメールをスキャンする。

 新版では,POP3アクセスの先読み機能を追加した。POPアクセスのID/パスワードをメモリー上に保持し,ユーザーに代わって定期的にPOP3サーバー上のメールをダウンロード,スキャンする。これにより,ユーザーがPOP3サーバーにアクセスしようとした段階で既にスキャン済みのメールは再スキャンが不要になるため,POP3アクセスが高速化する。また新版では,ホワイトリストを運用できるようにした。

 ネットワーク機能は100BASE- TX/10BASE-T×2個。外形寸法は幅65×高さ266×奥行210ミリ・メートルで,重さは2.27キロ・グラム。 なお,今回の新版はファームウエアのバージョンアップに相当し,ハードウエアは既存機種と変わらない。既存機種の保守契約を交わしているユーザーは,無償で新ファームウエアへとバージョンアップできる。