NECは2008年10月31日,音声認識技術を利用して決算説明会の会見録を作成するSaaS型サービスを発表した。2009年中のサービス開始を目指し,2009年1~2月の期間に決算説明会を開催予定の上場企業に対して試験提供する。

 このサービスは,上場企業が投資家やアナリスト向けに開催する決算説明会の音声を,ネットワーク経由でテキスト化し,会見録の文書を自動作成するもの。同社の音声認識ミドルウエア「WebOTX Speech Recognition」や,議事録作成ソフト「VoiceGraphy」などの技術を利用する。決算説明会に特有の用語を認識するために,音声を文字に変換する際に参照する辞書に財務などの専門用語をあらかじめ登録している。また,製品名や組織名など,企業に固有の専門用語を辞書に登録することもできる。同サービスで作成された会見録はブラウザで閲覧できるため,関係者間での情報共有が容易になる。

 企業にとって,決算説明会の会見録作成は重要かつ短納期の業務だ。しかし決算説明会の開催頻度が低いため,業務効率化のためのシステム導入は進んでいない。今回の新サービスはSaaS方式で提供されるため,企業は決算説明会のときにだけサービスを利用して業務を効率化できるという。