写真左から,監事の安田俊彦氏(シックス・アパート),代表理事の八木晃二氏(野村総合研究所),理事の柴田斉氏(日本ベリサイン)
写真左から,監事の安田俊彦氏(シックス・アパート),代表理事の八木晃二氏(野村総合研究所),理事の柴田斉氏(日本ベリサイン)
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 シングル・サインオンの仕様である「OpenID」の普及啓蒙を推進する団体「有限責任中間法人 OpenIDファウンデーション・ジャパン」は2008年10月30日,同日付で国内活動を本格化させる旨を発表した。12月12日には,OpenIDの業務利用を模索する試みとして,セミナー「OpenID BizDay」を開催する予定である。

 2008年10月1日に設立されたOpenIDファウンデーション・ジャパンは,日本国内でのOpenIDの普及啓蒙や,日本でのOpenID適用事例/技術を海外へフィードバックする役割を持つ。10月29日現在,活動母体となる会員企業は国内32社である。

 OpenIDファウンデーション・ジャパンはビジネス活用セミナーの開催などを通じて,ビジネス活用のベスト・プラクティスを今後増やしていきたい考え。記者発表会では,既にあるビジネス事例の一つとして,2008年5月から稼働している日本航空とミキ・ツーリストの連携システムを紹介した。これは,顧客が旅行手配会社であるミキ・ツーリストのWebサイトを利用して海外のホテルを予約する際に,日本航空の会員IDを利用してログインする,というもの。

 OpenIDの特徴は,単一のアカウント・ディレクトリを提携企業間で共有するのではなく,インターネット上に分散しているアカウント発行/認証用サーバーにログイン認証手続きを委託できる点にある。例えば,OpenID対応をうたうサイトにアクセスするユーザーは,YahooのIDやmixiのIDなどを利用してログインできるようになる。

 OpenIDの仕組みに参加する企業には,アカウントを発行してログイン認証サービスを提供するプロバイダ(OP)と,OPが提供するログイン認証サービスを利用してログインを受け付けるサイト運営者(RP)という,二つの立場がある。OP側はビジネス上のメリットが見えやすいため,ポータル・サイトやSNSなどユーザー・アカウントを所有している企業の多くがOPとしての機能を提供中である。

 一方,ログイン認証機能を利用したいRP側は,ログイン認証にOpenIDの仕組みを使うようにサイトを改造/構築することで,OpenIDを利用したログイン認証を実施できるようになる。“OpenID対応”という魅力をアピールしたり,アカウント管理負荷を低減したりできる,というメリットがある。