図1●GENI Engineering Conference 3rdでのライブ・デモ
図1●GENI Engineering Conference 3rdでのライブ・デモ
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 NECは2008年10月29日,新世代ネットワークを実現するための基盤技術となる「プログラマブル・フロー・スイッチ」を初めて試作し,さらに日米間での実証実験に成功したと発表した。ここでの次世代ネットワークは,日本の情報通信研究機構(NICT)などが提唱する「新世代ネットワーク」(NWGN)や米国のGENI(Global Environment for Network Innovations),あるいは次世代インターネットなどを幅広く含む。

 今回開発したプログラマブル・フロー・スイッチは,経路制御などの制御機能をスイッチ本体から切り離し,外部の制御サーバーから一元的に制御できるようにしたフロー・スイッチである。フロー・スイッチとは,アプリケーションごとのフローを識別し,そのフローごとに処理を加えられるスイッチのこと。従来のフロー・スイッチ,あるいは一般的なルーターやレイヤー3スイッチでは,転送経路を決めるルーティング機能は個々の装置に内蔵されていた。

 制御機能を分離することで,ルーティング,コンピューティング,ストレージなどの制御も統合した制御ミドルウエアとして実装できるようになるという。こうした特徴を生かして,ネットワークとコンピューティングやストレージを連動させたクラウド・コンピューティングの実現が容易になるとしている。

 今回試作したプログラマブル・フロー・スイッチは,「JGN2plus」「TransPAC2」「Internet2」などの国内外の学術研究用ネットワークを利用し,実証実験に成功したという。また,2008年10月28~30日に開催される「GENI Engineering Conference 3rd」において,米スタンフォード大学などと共同でデモを実施する(図1)。

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