写真●富士通が発売した「FMV-D5170」の内部<br>ノートPC向けのCPUを搭載している。
写真●富士通が発売した「FMV-D5170」の内部<br>ノートPC向けのCPUを搭載している。
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 富士通は2008年10月23日,低消費電力,低駆動音を実現した企業向けデスクトップPC「FMV-D5170」(写真)を発売した。標準消費電力を約26Wと従来の約3分の2に低減したほか,待機時の消費電力をゼロにする機能を追加した。使用時と待機時の両方の消費電力を削減することで,電気料金や運用コストを低減する。また,駆動音を約20dBに低減し,静かなオフィス環境を実現する。

 FMV-D5170は,デスクトップPCでありながら,消費電力の少ないノートPC向けCPU(「モバイルAMD Sempronプロセッサ」または「AMD Turion X2 デュアルコア・モバイル・プロセッサ」)を搭載する。内蔵ハードディスクも省電力型にすることにより,消費電力を約26Wに低減した。企業向けデスクトップPCの消費電力は40W~50W程度である。FMV-D5170の26Wはこれを大きく下回る。

 駆動音を,ささやき声程度の約20dBに低減した。機器内部の温度制御機能の工夫により,空冷用ファンの回転数が減り,省音性が向上したという。価格は,AMD Turion X2 デュアルコア・モバイル・プロセッサ搭載モデルで11万9000円,モバイルAMD Sempronプロセッサ搭載モデルで10万4000円。

 また,富士通は同日,企業向けPCの一新を発表した。FMV-D5170のほかに,企業向けデスクトップPC「FMV-ESPRIMO」ブランドとして機種,企業向けノートPC「FMV-LIFEBOOK」ブランドとして7機種,企業向けタブレットPC「FMV-STYLISTIC」ブランドとして1機種を発売(FMV-D5170を含み全44機種)した。これらの新モデルでは消費電力の低減を重視しており,44機種のうち25機種が国際エネルギースタープログラムに対応する。
 
 国際エネルギースタープログラムは,OA機器の省エネルギー基準。基準をクリアした製品は「国際エネルギースターロゴ」を表示することができる。パソコンでは,通常使用時だけでなく,待機時やスリープ時の消費電力にも省エネルギー基準が設けられているのが特徴である。たとえば,待機時の消費電力基準は2W以下,スリープ時は4W以下となっている。同基準に対応するために,FMV-ESPRIMOの全機種で,待機時の消費電力をゼロにするメイン・スイッチを搭載した。

 また,FMV-LIFEBOOKとFMV-STYLISTICから発売した18機種のすべてに,充電をフル充電状態の80%にすることでバッテリー寿命を約1.5倍に延ばすバッテリー・ユーティリティ機能を標準装備する。