Linux推進団体のLinux Foundationは米国時間2008年10月21日,Linuxディストリビューションの開発コストについて調査した結果を発表した。それによると,Linuxディストリビューション「Fedora 9」の開発コストは108億ドルに相当し,カーネルの開発コストだけでも14億ドルの価値があると推定している。

 2002年に実施した調査では,Linuxディストリビューション「Red Hat Linux 7.1」のSLOC(Software Line of Code)を計測し,推定開発コストが12億ドルを上回ると算出している。

 今回の調査は,前回と同様にSLOCCountツールでコード数を計測し,COCOMO(Constructive Cost Model)に基づいて工数や努力係数を掛け合わせて推定コストを算出した。Fedora 9は,5547のアプリケーション・パッケージと2億450万行のコードで構成されており,開発作業は工数にして6万人年かかるという。そのため,開発コストは108億ドルとなるという。Fedora 9のLinuxカーネルのコード数は680万行で,工数は7500年人を超える。カーネルだけで14億ドルの価値があると算出している。

 過去2年間だけで,200企業から3200人以上の開発者がカーネル開発プロジェクトに協力しており,Linuxディストリビューションで見た場合には,さらに多くの開発者が貢献していることになる。

発表資料へ