米AT&Tは米国時間2008年10月22日に,2008年第3四半期の決算を発表した。売上高は313億ドルで前年同期の301億ドルと比べ4.0%増加した。純利益は32億ドル(希薄化後の1株当たり利益は0.55ドル)で前年同期の31億ドル(同0.50ドル)と比べ5.5%の増益となった。7月11日に発売開始した米Appleの「iPhone 3G」をはじめとする高機能デバイスへの需要が高く,無線データ・サービスの普及が加速しているという。

 当期にアクティベイトしたiPhone 3Gは240万台。そのうち40%を新規契約が占めた。同社によると,iPhone 3Gユーザーは,他のポストペイド(料金後払い)方式ユーザーと比べて,1人当たり売上高(ARPU)が高く,解約率が低い。

 同社は当期のユーザーの反応から,引き続きiPhone 3Gプランの契約者が伸びるとの見通しを立てている。無線データ通信を多用する加入者の獲得により,長期的な売り上げが期待できるとしている。

 無線事業の売上高は126億ドルで,前年同期比15.4%増加した。無線データ通信による収入は同50.5%増の27億ドル。当期における携帯電話サービスの純増加入者数は200万人で,加入者総数は7490万人に達した。そのうちポストペイド方式の純増加入者は170万人で前年同期と比べ約40%増加した。

 有線事業の売上高は176億ドルで,前年同期比2.2%減少した。音声サービスが同8.1%落ち込んだが,IPTVサービス「U-verse」や企業向けVPNなどIPデータ関連の収入は同16.2%増と好調だった。U-verse TV加入者の純増は23万2000人で加入者総数は78万1000人。年内に100万人を超える見込み。

 同社は当期の業績について,「無線事業と有線IPデータ・サービスの成長が,マクロ環境の影響や,消費者向け有線通話サービスの落ち込み傾向といったマイナス要因をカバーした」と説明した。

 なお同社は,カナダResearch In Motion(RIM)のスマートフォン「BlackBerry Bold」を11月4日に米国販売を開始することも明らかにした。2年間契約を結んだ場合の価格は299.99ドル。

[発表資料(1)] [発表資料(2)]