総務省は2008年10月21日,フェムトセルの円滑な開設と適正な運用を目指し,電波法や電気通信事業法関係法令の適用関係を明確化したガイドライン案を作成した。11月18日まで意見募集し,その後ガイドラインを策定する。

 今回のガイドライン案は,総務省が4月に策定した「フェムトセル基地局の活用に向けた電波法及び電気通信事業法関係法令に関する取扱方針」において求めていたもの(関連記事)。電波法と電気通信事業法関係法令に渡って取り扱い方針が書かれているが,電波法に関する部分は,電波法や省令改正が進んでおり(関連記事),その内容に沿って免許人以外によるフェムトセルの移設や復旧などを認めている。

 一方の電気通信事業法に関する部分では,コア・ネットワークとフェムトセルの接続にブロードバンド回線を利用する場合がポイントになる。ガイドライン案では(1)携帯電話事業者がブロードバンド回線事業者から接続により調達する形,(2)携帯電話事業者がブロードバンド回線事業者からユーザー約かんに基づき調達する形,(3)フェムトセルの契約者がブロードバンド回線事業者からユーザー約かんに基づいて契約したブロードバンド回線を携帯電話事業者か利用する形,の3つの接続形態が考えられるとした。この3つのケースのいずれの場合も,通常の携帯電話サービスと同等の通信品質を確保するため,「携帯電話事業者とブロードバンド回線事業者との契約等において,通信品質の確保,緊急通報の確保への対応,障害発生時の対応等について規定することが求められる」と記した。

 今回のガイドライン案の記述は上記の内容にとどまり,具体的な例などには触れていない。総務省では「現在,次世代IPネットワーク推進フォーラムにて関係する事業者間でさらに具体的な内容を記したガイドライン案を作成している。こちらも近々に公表予定」(総務省事業政策課)としている。両者とも早ければ11月中にも内容が固まる見込みだ。

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