中国地方や九州で物流サービスを提供するシモハナ物流(本社:広島県坂町)は2008年10月21日、管理会計システムを構築したと発表した。独立採算で運営している35の営業所の日ごとの収支を管理する。それまで手作業で行っていた伝票の入力作業などをシステム化することにより、業務効率の向上と、収集したデータを経営判断に生かすことが狙い。システムの稼働は今年7月。投資額は非公表。システム開発は富士通が担当した。

 システムの名称は「収支管理システム」。日次・月次・年次の伝票管理、売り上げの集計、経費や収益の算出などをシステム化した。従来は従業員がExcelに伝票を打ち込み、それを全社でとりまとめていたため、作業には非常に工数がかかっていた。当日の取引状況を正確に把握するといったことも難しかった。

 システム化の対象となった物流業務すべてに対応するパッケージがなかったため、スクラッチでシステムを開発した。システムの構築に先駆け、運送料や物流倉庫での保管費、仕分け作業費などの売り上げ項目など、営業所ごとに異なっていた様々な集計項目の管理基準を統一した。

 今回、トラック速度やエンジン回転などの運転情報と、作業場所や走行軌跡などの運行情報を記録する「運行支援システム」も同時に構築した。プロジェクトの開始当初は、運送業務の安全性を高めることを目的にしていた。だが、プロジェクトの最中にガソリンの値段が高騰したため、速度制限による燃料費の削減などもシステム化の目的に加えたという。