CA Wily Introscope 8
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CA Wily Customer Experience Manager 4.2
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 日本CAは,Webアプリケーションの稼働状況を監視して性能改善に役立てるためのソフト2製品を,2008年10月22日に出荷した。(1)アプリケーション・サーバーの性能を監視するソフトの新版「CA Wily Introscope 8」と,(2)Webアプリケーションの実行状況をユーザーの視点で監視/分析できる国内初出荷の製品「CA Wily Customer Experience Manager 4.2」である。

 (1)CA Wily Introscope 8は,Webアプリケーション・サーバー(APサーバー)の稼働状況を監視して性能改善に役立てるためのシステム監視ソフトである。APサーバーに監視エージェントを導入して利用する。単一のソフトでJava環境と.NET環境の両方を監視できる。JavaVMや.NETの仮想マシンがクラスをロードするタイミングで監視プローブを動的に埋め込む方式であるため,アプリケーションに変更を加えることなく利用できる。アプリケーションの開発時にも利用できるが,どちらかと言うと実運用時の稼働性能監視に使うツールである。

 もう1つの製品,(2)CA Wily Customer Experience Manager 4.2(以下,CEM)は,国内では初出荷となる,Webアプリケーションのレスポンス性能監視ソフトである。Webクライアントを利用するユーザーの視点でWebアプリケーションの性能を監視/分析する。ネットワーク・スイッチのミラー・ポートからWebアクセスのトラフィックを取得するほか,擬似ユーザー(仮想ユーザー)によるWebアクセスを発生させる機能なども備える。Introscopeと連携することにより,Webアプリケーションの性能のボトルネックを,ユーザー操作のレベルから個々のJavaクラス処理のレベルまで,粒度を徐々にドリルダウンして分析できる。

 今回,Introscopeの新版では,(a).NET環境の監視機能の強化,(b)監視サーバーの拡張性の強化,(c)CEMとの連携強化,(d)CMDB(構成情報データベース)経由でのサービス・デスク製品との連携強化などを図った,としている。

 (a).NET関連では,以前は別々のライセンスが必要だったJava環境と.NET環境を同一ライセンスで監視できるようにした。また,監視対象ごとのオプション・ライセンスなどを単純化し,購入しやすくした。

 (b)拡張性の強化では,監視サーバー1台が扱える監視エージェントの数を300に増やしたほか,クラスタ構成可能な監視サーバー台数を10台に増やした。さらに,エージェントの処理を監視サーバー間で負荷分散する機能を追加した。監視サーバーを統括する親サーバー側は,以前は1台しか運用できなかったが,クラスタ全体の可用性を高めるため,複数台用意してフェールオーバーできるようにした。

 価格は,CA Wily Introscope 8が,1CPUあたり120万円(税別)。CA Wily Customer Experience Manager 4.2が,1CPUあたり75万円(税別)。2製品をパッケージ化した製品「CA Wily Application Performance Management」が,1CPUあたり162万5000円(税別)。なお,Introscopeは,米CAが2006年3月に買収した米Wily Technologyの製品であり,今回出荷する版は新版に当たる。