図1●「と」を入力すると、入力候補が表示される
図1●「と」を入力すると、入力候補が表示される
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図2●構文を解析する機能も備える
図2●構文を解析する機能も備える
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図3●「インターネット」にカーソルを合わせると、辞書データ内のFAQリストが表示される
図3●「インターネット」にカーソルを合わせると、辞書データ内のFAQリストが表示される
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図4●ITproでi-lligraサジェストの機能を利用することも可能だ
図4●ITproでi-lligraサジェストの機能を利用することも可能だ
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 NTTデータは2008年10月21日、Webサイトでの入力操作や関連情報検索を支援するソフトウエア「i-lligra サジェスト」の販売を開始した。Googleサジェストなど一般ユーザー向けでこのような機能を実現するサービスはあるが、企業向けでは珍しい。コンタクトセンターや顧客向けWebサイトを持つ企業に売り込む。

 「東京都」と入力したいユーザーが「と」を入力した時点で画面上に「東京都」「徳島県」「栃木県」などの入力候補を表示し、入力負荷を軽減する(図1)。既存のWebサイトやコンタクトセンターのシステムなどに、サジェスト機能を容易に組み込むことができる。

 i-lligraの特徴は三つある。一つめは、サジェストする内容の自由度が高いことだ。Webブラウザで入力操作をすると、それをもとにi-lligraサジェストのサーバーが管理する辞書データベースから入力予測データを取得して表示する。その辞書の内容をカスタマイズできる。

 サジェスト機能を提供するサービスとしてGoogleサジェストが有名だが、これは過去の検索履歴から頻度の高いキーワードを表示するものだ。これに対してi-lligraはサジェスト情報を自由に決められる。「東京都」「港区」などの住所情報でもよいし、製品サポートのWebサイトなら製品名や型番でもよい。

 文章形式の入力でもサジェスト機能が働く。「セキュリティを」と入力すると「強化する」といったサジェスト情報を表示することができる(図2)。構文解析機能を搭載し、ユーザーがその後どのような文章を入力するかを推測する。また、入力したキーワードから過去のFAQ情報をリスト表示するといったことも可能だ(図3)。

 二つめの特徴は既存のWebサイトに組み込みやすいこと。i-lligraサジェストはWebサイトとは別のサーバーに導入する。Webページにサジェスト情報を検索するためのJavaScriptを埋め込むだけでよい。JavaScript自体をブックマークしておくことで、任意のWebサイトでサジェスト機能を実現する仕組みも用意した。例えば、ITproのWebサイトでi-lligraサジェストを利用することもできる(図4)。

 三つめは、サジェスト情報の検索速度を高める技術を導入していること。辞書データは独自の構造を採用し、サーバーのメモリー上に保持する方式を採用した。これにより、i-lligraサジェストのサーバーをネットワーク経由で利用する際の遅延を抑えた。

 価格はコンタクトセンター向けが端末100台の場合で750万円から。それ以外の社内利用向けが1000ユーザーで750万円から。どちらも年間保守料金が120万円である。NTTデータは10月21日にデモサイトを開設した。NTTデータは将来的に、i-lligraサジェストをサービス提供することを計画する。