Unified Serial RAIDコントローラ 5シリーズ
Unified Serial RAIDコントローラ 5シリーズ
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 RAIDコントローラなどを提供するアダプテック・ジャパンは2008年9月から,ディスク装置の消費電力を抑える技術「インテリジェント パワー マネージメント機能」を提供している。同社が提供する,SASとSATAのディスク・インタフェースに対応したRAIDコントローラ「Unified Serial RAIDコントローラ 5シリーズ(写真)」と「同 2シリーズ」に標準搭載される。米AdaptecのSuresh Panikar氏(Director,Brand Product Marketing,Data Protection Solutions Group)は,「インテリジェント パワー マネージメント機能を使えば,ディスク装置の電力消費量を最大70%削減できる」という。その機能の詳細が明らかになったので紹介しよう。

 RAIDコントローラは,複数ディスクの制御を担う部品で,データを複数個所に書き込んで信頼性を上げたり,並列に読み書きして性能を上げたりする。インテリジェント パワー マネージメント機能を搭載することで,使っていないディスクを低回転にしたり,回転を止めたりすることで消費電力を抑えることができる。

 Adaptecの調査によると,HDD(ハードディスク・ドライブ)が通常稼働しているときは1ドライブ当たり10から12ワットの電力を消費するが,低回転状態だと消費電力は5から7ワット,回転を止めていると約3ワットで済む。

 HDDの回転を制御する同様の機能に「MAID(Massive Arrays of Inactive Disks)」といわれる機能がある。「MAIDは(RAIDコントローラだけでなく)装置全体で実装している技術で,一般に高価である。MAIDと同等の機能をRAIDコントローラだけで実装している点がユニークだ」(Suresh Panikar氏)という。

 インテリジェント パワー マネージメント機能が効果を発揮するのは,ディスク装置を利用する時間帯(または曜日)と,利用しない時間帯が明確に分かれるようなケースである。具体的には,データ・アーカイブやディスク・バックアップといった用途だ。オンライン・システムでも,社内向けシステムで夜間にほとんどアクセスが発生しないなら対象になる。

 あらかじめシステム管理者は,ディスクをほとんど利用しない時間帯を見極め,その時間帯に「スタンバイ(低回転)」や「パワーオフ(ディスクの回転停止)」になるように設定する。スタンバイやパワーオフになっているとき,消費電力を抑えられる。もしスタンバイやパワーオフになっているときに予想外にアクセスがあっても利用できないわけではなく,一定時間(スタンバイの場合7秒から10秒)を経て通常の稼働状態に戻る。