総務省は2008年10月21日,総務相の私的研究会である「ICTビジョン懇談会」を立ち上げると発表した。放送が完全にデジタル化される予定の2011年から2015年ごろまでを展望し,ユビキタスネットワーク社会をさらに発展させるための政策ビジョンを検討するのが目的である。10月中に第1回会合を開催し,2009年6月をメドに報告書をまとめる予定である(発表資料)。

 総務省は2004年12月に「u-Japan政策」を発表し,2010年を目標にしてユビキタスネットワーク社会の実現に向けた施策を実施してきた。懇談会で検討するビジョンは,このu-Japan政策を引き継ぐものになる。具体的には,(1)2015年ごろまでを視野に入れたICT関連市場の展望,(2)ICTの利活用,ICT産業の活性化,世界市場における日本のICT産業の存在感の向上などのために日本が取り組むべき課題,(3)2015年ごろを展望した総合的なICT政策の方向性──などを検討する。

 なお,懇談会は有識者を中心に組織する。岸博幸・慶応義塾大学デジタルメディア・コンテンツ統合研究機構教授,寺島実郎・日本総合研究所会長,松原聡・東洋大学経済学部教授,村井純・慶応義塾大学環境情報学部教授,脳科学者の茂木健一郎氏など19人が参加する。