写真1●デモに使ったONU。手前にある大きな黒い装置が10GE-PONのONU。奥の方にある4台の白い装置が現行のFTTHサービスで使われているGE-PONのONU。回路の集積化によって,将来的には10GE-PONのONUをGE-PONのONU並に小さくするという
写真1●デモに使ったONU。手前にある大きな黒い装置が10GE-PONのONU。奥の方にある4台の白い装置が現行のFTTHサービスで使われているGE-PONのONU。回路の集積化によって,将来的には10GE-PONのONUをGE-PONのONU並に小さくするという
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写真2●OLTと伝送速度の測定結果。左側の黒い装置は10GE-PON用のOLT。GE-PONのONUとも通信できる。右側のディスプレイには,実際の測定結果が表示されている
写真2●OLTと伝送速度の測定結果。左側の黒い装置は10GE-PON用のOLT。GE-PONのONUとも通信できる。右側のディスプレイには,実際の測定結果が表示されている
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 NTTアクセスサービスシステム研究所(AS研)は,2008年10月15~16日に開催されたNTTの総合技術展示会「つくばフォーラム2008」で,次世代のFTTH技術「10GE-PON」の実機デモを公開した。

 10GE-PONは,最大10Gビット/秒の伝送速度を実現するPON(passive optical network)技術である。PONは,スプリッタという光ファイバ分岐装置を使い,1本の光ファイバを複数のユーザーで共用するための仕組みである。Bフレッツやフレッツ 光ネクストなどの現行のFTTHでは,最大1Gビット/秒のGE-PONという仕様が使われている。

 10GE-PONの特徴としては,まずGE-PONの10倍という高速伝送がある。さらに,既存のGE-PONと10GE-PONを混在させて利用できるという特徴もある。

 10GE-PONとGE-PONの共存で難しい点は,ONU(optical network unit)からOLT(optical line terminal)への上り信号を正しく受信することだという。現行のGE-PONでも,収容局との距離が異なるユーザーごとに光信号の強さが異なってしまうため,OLT側で信号を正しく読み取ることはかなり難しかった。10GE-PONでは,信号の伝送速度が速くなることに加え,低速のGE-PONのバースト信号も混在するため,それらを識別することがさらに難しくなるという。

 今回の展示では,10GE-PONのOLTの配下に,スプリッタを経由して10GE-PONとGE-PONのONUを接続し,同時に通信するデモを披露した。