総務省は2008年10月17日,次期BSデジタル放送(2011年7月以降のBSデジタル放送)の参入希望調査の結果を発表した(発表資料)。今回の調査には,53の事業者が応募を行った。

 このうち2011年から利用可能になる次期BSデジタル放送用周波数(第5,第7,第11,第19,第21,第23チャンネル)の利用を想定しているのは42事業者である。希望チャンネル数の合計は86チャンネルにのぼる。これらのチャンネルの放送に必要な周波数帯域幅は,合計でトランスポンダ(電波中継器)26.2本分に上る。それに対して,実際の帯域幅はトラポン7.1本分である。今後,限られた参入枠を巡り,激しい争奪戦が繰り広げられそうだ。残りの14事業者は,既存のBSデジタル放送用周波数や東経110度CS放送用周波数を使うことを望んでいる(複数のチャンネルについて回答した事業者がある関係で事業者数の合計は53と一致しない)。

 53事業者のうち,大部分(52事業者)がHDTV(ハイビジョン)放送の開始を予定している。放送方式に関しては,50事業者が既存の放送方式を希望しており,動画圧縮方式に「H.264」を採用した新たな放送方式を望んだのは2事業者にとどまった。チャンネルの画質は,フルHD(1920×1080画素)と回答したのが20事業者,地上デジタル放送並みのHDTV放送(1440×1080画素)としたのが32事業者だった。

 認定申請の理由としては,32事業者が新規チャンネルの立ち上げを目的に挙げており,東経110度CS放送の既存チャンネルの画質向上を目的とした事業者数を上回った。新規チャンネルの開始を目的とする32事業者のうち,25事業者が「有料放送」を計画していると回答した。

 総務省は2009年4月に次期BSデジタル放送の委託放送業務に関する認定申請の受け付けを開始して,同年7月までに委託放送事業者を決定することを予定する。委託放送事業者は2011年7月以降に放送を開始する。