写真1●KDDIのブースで紹介している「KDDI Wide Area Virtual Switch」
写真1●KDDIのブースで紹介している「KDDI Wide Area Virtual Switch」
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 KDDIは東京ビッグサイトで開催中のITpro EXPO 2008 Autumnで,来夏に提供開始予定の次期法人向けネットワーク「KDDI Wide Area Virtual Switch」を展示している(写真1)。同サービスは2008年9月30日に概要を発表済みだが,詳細は正式発表予定の11月まで明らかにしない,としていた。今回の展示内容から,概要の発表内容には含まれていなかった3つの追加予定機能が明らかになった。

 これまでに分かっていたのは,2つの機能を提供予定だということ。1つは,1本のアクセス回線上にデータ・センター向けと企業の拠点間通信用の通信経路を複数設定し,データ・センター向け通信では拠点側のLANインタフェースの最大速度で通信できる「トラフィックフリー機能」。もう1つは,NTT東西地域会社のフレッツ光シリーズ回線などを,トンネリング技術を使ってイーサネット回線のように使える「プラグイン機能」である。これらは,2009年夏のサービス開始時点から利用できる予定である。

 今回はこれに加えて「L2/L3マルチレイヤ機能」,「統合マネジメントサービス」,「アプリケーションプラットフォーム機能」の3サービスを,第2ステップとして提供していくことを検討しているとした。L2/L3マルチレイヤ機能は,広域イーサネットとIP-VPNを使って企業ネットワークを構築できるサービス。L3サービスをL2回線として使うプラグイン機能とは違い,L3で構築したIPネットワークに変更を加えずに,L2ネットワークとの連携が可能になる。

 統合マネジメントサービスは,宅内ルーター機能をネットワーク側で提供する「ルーターレス機能」のほか,拠点内のLAN機器や,データ・センターに預けたサーバーなどを一元管理するサービス。障害発生時には監視センターから駆けつけサポートを行ったり,パソコンの調達から廃棄までのライフサイクル管理も支援するという。

 アプリケーションプラットフォーム機能は,KDDIのデータ・センターを使ったSaaS型サービス構想で,マイクロソフトとの提携で構築したSaaSプラットフォーム「KDDI Business Port」と連携することを想定している。これにより,企業拠点の固定回線だけでなくau携帯電話経由でも,同一のアプリケーションをネットワーク経由で利用できるようになる。
 いずれも「まだ構想段階」としており,提供時期やサービス料金などの詳細は決まっていないが,11月中旬の正式発表ではより具体的な内容が公表されそうだ。