米連邦通信委員会(FCC)が,いわゆる「ホワイトスペース」と呼ばれる周波数帯域の開放に関する検討に乗り出したことを受け,米Googleと米Microsoftは米国時間2008年10月15日に,それぞれ歓迎のコメントを発表した。両社は,FCCがこれまでの内部作業とテストから集めた十分な情報により,ホワイトスペース使用の適切な規定を設けるプロセスに進めるはずだと期待を示した。

 FCCは同日,議長のKevin J. Martin氏が,11月4日の公開ミーティングで協議する議題に,ホワイトスペースに関する第2次報告および指令(Second Report and Order)などを含めていることを明らかにした。また米メディア各社(Washington PostCNET News.comInternetnews.com)は,Martin氏がホワイトスペースの開放を支持する意向を示したと報じている。

 ホワイトスペースとは,地上アナログテレビ放送で確保していた空き帯域のこと。デジタル放送では電波干渉が軽減できるようになったため,アナログ放送のように空き帯域を確保する必要性が低くなる。これを免許不要の電波としモバイル機器に利用できるようにしようというのが,ホワイトスペースの開放である。全米規模で利用でき,ネットインフラが行き届いていない地域もカバーできる。通信速度が速いといった好条件もそろっているという。

 Googleはホワイトスペース開放に積極的に取り組んできた。今年3月に,FCCに対してホワイトスペースを無線ブロードバンド・インターネット接続サービス用としてライセンス無しで利用可能にするよう要請する意見書を送り(関連記事:競売に敗れたGoogle,今度は地デジ空き領域で提言---その真意は?),8月にはキャンペーン「Free The Airwaves」を発表している(関連記事:Google,「ホワイトスペース」開放を訴えるキャンペーンを開始)。Googleによると,これまで1万8000人以上の米国人が同キャンペーンに参加したという。

[発表資料(Googleのプレスリリース)]
[発表資料(Microsoftのプレスリリース)]
[発表資料(FCCのプレスリリース)]