写真1●携帯・PHS4社の法人向けビジネス担当キーパーソンが熱弁
写真1●携帯・PHS4社の法人向けビジネス担当キーパーソンが熱弁
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 通信の高速化と端末の多様化で企業のモバイル利用が再燃しつつある。携帯・PHSの各事業者は法人向けにどのような戦略を打ち出していくのか---。

 2008年10月16日,「ITpro EXPO 2008 Autumn」において「エンタープライズ・モバイル 次の一手」と題するパネルディスカッションを開催し,携帯・PHS事業者4社の法人向けビジネスを担当するキーパーソンによる討論が実施された(写真1)。

カスタマイズ,Bluetooth連携,iPhone 3G,固定-PHS定額

 まずは各社が,法人向けビジネスに対する考え方や取り組みを解説した。モバイルという同じテーマでも各社で重視するポイントは異なり,戦略の違いが鮮明に浮き出る結果となった。

 NTTドコモ 法人事業部法人ビジネス戦略部技術戦略の松木彰・担当部長(写真2)は,今後のキーワードとして「カスタマイズ」を挙げた。企業の用途に合わせて端末をカスタマイズできるようにし,汎用的なものはパッケージ化して提供する方針だ。カスタマイズの対象としては「サービス」「データ・ストレージ」「アプリケーション」「機能」の4種類の切り口を紹介した。

 例えば「工場に入るので一時的に端末搭載のカメラ機能を利用不可にする」ことが既に可能という。10月6日に発表した「iアプリオンライン」や「iアプリコール」を利用すれば,TCPやUDPで直接通信するiアプリを開発したり,アプリケーションをプッシュ配信したりすることもできる(関連記事)。今後は,アプリケーションを修正せずに機能を拡張するための「ライブラリDL機能」(仮称)も提供する予定だ。

 KDDI ソリューション事業統轄本部FMC事業本部の山本泰英・FMC推進本部長(写真3)は,「UMPC(ultra mobile PC)やMID(mobile internet device)の登場で多様化する小型ノート・パソコンと携帯電話を2台持つ時代が来る」とにらむ。そこで着目している点が「セキュリティ」と「Bluetooth連携」という。

 後者のBluetooth連携は,小型ノート・パソコンと携帯電話との間でデータを連携することで,使い勝手を高めたり,互いの不得意分野を補ったりする用途を予定する(関連記事)。「Bluetoothの通信距離は10メートル程度。小型ノート・パソコンと携帯電話の接続が切れた際に双方の端末をロックする」といったアイデアも披露した。

写真2●NTTドコモ 法人事業部法人ビジネス戦略部技術戦略の松木彰・担当部長
写真2●NTTドコモ 法人事業部法人ビジネス戦略部技術戦略の松木彰・担当部長
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写真3●KDDI ソリューション事業統轄本部FMC事業本部の山本泰英・FMC推進本部長
写真3●KDDI ソリューション事業統轄本部FMC事業本部の山本泰英・FMC推進本部長
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