米Microsoft副社長のMike Nash氏は「Windows Vista」関連ブログで2008年10月14日(米国時間),次期Windowsの名称を「Windows 7」にすると発表した。ただし,Windows製品系列としてのバージョン番号は「7」ではなく「6.1」になる。

 Nash氏はブログで次のように述べている。「Windows 7の名称に6.1を入れる案もあったが,その考えはなくなった」「Windows 7は重要な意味を持ち,クライアントOSを大きく進化させる。デザイン,技術,イノベーションの面であらゆる努力を注ぎ込んでいる。6.1というバージョン番号から唯一分かることは,確実に顧客の望み通りのアプリケーション互換性を確保する,という我々の決意だ」。

 これらの発言は,Windows 7をメジャー・アップデートと呼ぶMicrosoftの方針と一致する。その一方,Windows 7には一般的にメジャー・アップデートと考えられる変更を全く施さない計画とも合っている。Paul Thurrott氏が以前に指摘したとおり(関連英文記事),Microsoftが発表しているWindows 7の計画はとてもメジャー・アップデートに見えない。

 Microsoftには,Windows 7をメジャー・アップデートと思わせたい理由がある。その実態はどうあれ,Windows Vistaの評判は最低だ。Windows 7がWindows Vista用の「Service Pack 3(SP3)」や「Release 2(R2)」と受け取られると,Vistaの悪評まで引き継ぐ恐れがある。

バージョン番号の意味とは

 これまでのMicrosoft製品を振り返って,バージョン番号の意味を読み取ってみよう。Windowsが登場した当初は,製品名にバージョン番号をそのまま付加していた。だが,「Windows 95」以降,バージョン番号ではない製品名が付けられるようになった。その一方,社内向けには相変わらずバージョン番号も割り当てられ,Windows 95は「4.0」,「Windows 98」は「4.1」,「Windows Me」は「4.9」となっていた。NT系OSでも,NT 4.0以降では,「Windows 2000」に対し「5.0」,「Windows XP」に「5.1」,「Windows Server 2003」に「5.2」,「Windows Vista」および「Windows Server 2008」に「6.0」というバージョン番号を与えられた。

 Windows 95からMeにかけてOSそのものは大きく変化したものの,バージョン番号の1桁目は同じ「4」を使い続けた。これと同様に,Windows 7もメジャー・アップデートだが,バージョン番号はVistaと同じ「6.1」になるのだろう。もっとも,これは筆者の推測に過ぎない。MicrosoftがWindows 7で実施する技術/ユーザー・インタフェース(UI)面の変更内容をきちんと発表しない限り,当たっているかどうか判断できない。

 メジャー・アップデートであろうとなかろうと,Windows 7が「7代目Windows」でも「バージョン7」でもないことは混乱の種だ。もちろん,Nash氏が今回のブログ記事で使っている数え方なら確かに混乱しないだろうが。