Linux推進団体のLinux Foundationは米国時間2008年10月14日,Linuxディストリビューション間の互換性向上を図るOS標準仕様の新版「Linux Standard Base(LSB)4.0」のベータ版を公開した。アプリケーション・チェッカとシェル・スクリプト・チェッカを強化したほか,LSBの複数バージョンに対応可能なソフトウエア開発キット(SDK)を提供する。

 Linux Foundationは,仕様書,テスト・スイート,開発ツールなどをWebサイトで公開している。LSB 4.0の最終版は2008年晩秋にリリースする予定。

 アプリケーション・チェッカは,バイナリ・ファイルを検査してすべてのLSB認定Linuxディストリビューション上での動作を確認するためのツール。アプリケーションの開発期間短縮やポータビリティ向上といった効果が期待できる。シェル・スクリプト・チェッカでは,bashシェル用に開発したスクリプトを他のシェルで動かす場合などに起こる問題を調べることができる。

 開発者は複数バージョンに対応するSDKを使うことで,LSB 3.0/3.1/3.2/4.0用アプリケーションを作成するためにSDKを切り替える手間が省ける。また新版では,暗号化のために「Mozilla Network Security Services(NSS)」と「Netscape Portable Runtime(NSPR)」を採用した。