写真1●Eugrid SecureClientの仕組み
写真1●Eugrid SecureClientの仕組み
[画像のクリックで拡大表示]
写真2●Eugrid SecureClientの管理画面
写真2●Eugrid SecureClientの管理画面
[画像のクリックで拡大表示]

 「ITpro EXPO 2008 Autumn」の日立ハイテクソリューションズのブースでは,ユーグリッドが開発・販売するシン・クライアント・システム「Eugrid SecureClient」を展示している。Eugrid SecureClientは,Windowsのグループ・ポリシーを利用してシン・クライアントを実現する点が特徴の製品である。

 仕組みは次のようになる(写真1)。専用ソフトをインストールした状態でクライアント・パソコンを起動すると,ポリシー・サーバーからグループ・ポリシーをダウンロードする。これにより,ユーザーによるローカル・ディスクへのデータの書き込みや,利用できるアプリケーションの種類などを制限。さらに,ユーザーが作成したデータは,仮想化の仕組みを使って強制的にファイル・サーバーに保存(リダイレクト)する。ファイル・サーバーにはユーザーごとにディレクトリが作成され,その配下にデータを蓄積していく。管理者は,ユーザーやグループごとに利用できるアプリケーションの種類や,デスクトップ,マイドキュメントなどの表示/非表示といったポリシーを設定できる(写真2)。

 このような仕組みのため,Eugrid SecureClientを利用すれば,「企業は既存パソコンを流用してシン・クライアント・システムを構築できる」(説明員)。さらに画面転送型のシン・クライアント・システムと違い,アプリケーションの処理はクライアント側で実施する。このため,「ストレスなく操作できる。動画やIP電話の利用も全く問題ない」(同)。

 アプリケーションの振る舞いによっては,上記の仕組みでうまく動作しない可能性もある。そこでEugrid SecureClientでは,(1)特定のアプリケーションだけにローカル・ディスクへの書き込みを許す,(2)ローカル・ディスクの特定の領域だけに書き込みを許す,(3)ローカル・ディスクの特定の領域をすべて強制的にファイル・サーバーに保存(リダイレクト)するといった仕組みを用意する。「これまで利用できなかったアプリケーションはない」(同)としている。

 Eugrid SecureClientは,日立ハイテクソリューションズがソリューション・パートナとして販売中。価格は,1ユーザー当たり1万9200円(100ユーザーの場合)など。導入コストは「通常のシン・クライアント・システムに比べて10分の1程度に抑えられる」(同)という。