米eBayは米国時間2008年10月15日に,2008年第3四半期の決算を発表した。前年同期から12%増収し,「全般的に満足のいく業績」(同社社長兼CEOのJohn Donahoe氏)をあげたものの,今後の展望については消極的で,通期見通しを下方修正した。
当期の売上高は21億2000万ドル,会計原則(GAAP)ベースの純利益は4億9200万ドルで希薄化後の1株当たり利益は38セントだった。前年同期は売上高が18億8900万ドルで,9億3600万ドルの純損失(薄化後の1株当たり損失は69セント)を計上していた。
非GAAPベースの場合,当期の純利益は5億9200万ドル,希薄化後の1株当たり利益は46セント。前年同期の純利益は5億6400万ドル,希薄化後の1株当たり利益は41セントとなる。
売上高の大半を占めるのはマーケットプレース事業だが,PayPalやSkype,クラシファイド広告の成長が当期の増収を支えた。また,米国以外にも足場を確保していることから,米ドルに対して強い通貨の恩恵を受けた。
事業別に見ると,eBayサイトなどを含むマーケットプレース事業の売上高が13億8000万ドルで,前年同期と比べ4%成長した。このうち国外の売上高が53%を占めた。広告,クラシファイド・サイト,チケット転売サイトの成長がめざましく,テキストおよび画像のオンライン広告による収入は前年同期比127%増加した。
PayPalのオンライン決済事業は,売上高が5億9700万ドル(前年同期比27%増)。決済総額は148億1000万ドル(同28%増)で,アクティブな口座数は世界で6530万件(同19%増)に達した。
IP電話サービスSkypeの通信事業は,売上高が1億4300万ドル(前年同期比46%増)。当期の新規加入ユーザーは3200万人で,総ユーザー数は3億7000万人に達した。
同社は今後の見通しも発表した。2008年第4四半期の売上高は20億2000万~21億7000万ドルを見込む。希薄化後1株当たり利益はGAAPベースで25~27セント,非GAAPベースで39~41セントと予測している。
2008年通期の売上高予測は85億2500万~86億7500万ドル。希薄化後1株当たり利益はGAAPベースで1ドル32セント~1ドル34セント,非GAAPベースで1ドル69セント~1ドル71セントを見込む。従来見通しは,売上高が88億~90億5000万ドル,希薄化後1株当たり利益がGAAPベースで1ドル37セント~1ドル42セント,非GAAPベースで1ドル72セント~1ドル77セントだった。
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