写真●出光興産の三上誠e-ビジネス室長
写真●出光興産の三上誠e-ビジネス室長
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 出光興産は10月17日まで開催中のITpro EXPOに,SAP ERP向けのテンプレート製品「SAP MII(Manufacturing Integration and Intelligence)」を初出展した。SAP ERPから安全管理や環境管理,品質,生産状況,収益などに関するデータをリアルタイムで取り込んでグラフ化し,コックピットのような画面にまとめてわかりやすく表示する。2008年10月に本格的な提供を開始した。

 SAP MIIは1997年からSAP R/3のユーザーである同社が,社内で蓄積したノウハウを元に開発したもので,化学品メーカーなどプロセス産業を対象とする。目標値との比較表示や,あらかじめ設定した数値を超えた際にアラームを出すといった機能も備えており,製造現場における安全,環境,生産,設備,品質などの管理業務を省力化できるという。

 元になったシステムは,出光興産が2007年に全国の製油所の操業状況を全社でリアルタイムに共有するシステムとして導入したもの。この時は独シーメンス社製の操業データ管理ソフト「XHQ」で構築したが,今回XHQは使っていない。

 ハードを除く価格の目安は,1拠点あたり1000万~3000万円程度。標準的な導入期間は3カ月程度という。現在導入を検討中の企業が5社程度あり,10月からの半年間でまずは2社への導入を目指す考えだ。「導入効果を出すには,誰にどのデータを見せるかが重要」(三上誠e-ビジネス室長,写真)であるため,コンサルティング・サービスも提供する。