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 米Marathon Technologiesは,サーバー仮想化ソフト「Citrix XenServer」向けの高可用性ソフト「everRun」をITpro EXPO 2008 Autumnで展示,2009年第1四半期に提供予定のミラーリング機能を実演した。2台の仮想サーバー間でCPU/メモリーを同期させ,無停止運用を狙う。同社と米Citrix Systemsとの共同開発したものだ。

 everRunは,サーバー仮想化ソフトであるXenServer環境向けの,HA(高可用性)クラスタリング・ソフト。XenServerと連携動作し,XenServer側から個々の仮想サーバー機の可用性を高める。このため,既存のHAクラスタ・ソフトとは異なり,仮想サーバー上でHAクラスタ・ソフトを動作させたり,アプリケーションをHAクラスタ機能に対応させる必要がない。

 everRunには,高可用性の程度として,3段階のレベルを用意している。レベル1は,共有ディスク型のフェール・オーバー(縮退運転)である。Citrix XenServer 5 Enterprise Editionが標準装備する。レベル2では,フェール・オーバーながら,NIC(ネットワーク・インタフェース・カード)などのI/Oやディスクをノード間で2重化する。レベル3では,アクティブ-アクティブ構成で,2ノード間でディスク/CPU/メモリーの内容をミラーリング(同期)させる。

 デモでは,2台のPCサーバー機を用い,それぞれの物理サーバー上に構築したXenServerの仮想サーバー間で,アプリケーションを同期させて見せた。グラフィックス表示アプリケーションを動作させ,2台のグラフィックス表示が一致していることが確認できた。

 レベル3のミラーリング同期機能を使うためには,現状,仮想サーバー上で動作するOSがWindows Server 2003/2008に限られる。専用のデバイス・ドライバをOSに組み込む必要があるためだ。

■変更履歴
3段落目で「レベル1は,共有ディスク型の2ノード・フェール・オーバー(縮退運転)である」としていましたが,最大16ノードまでのクラスタでフェール・オーバーが可能であるため,「2ノード・」の表記を削除しました。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2008/10/17 09:50]