写真1●日本アルカテル・ルーセントのHSDPA対応の無線データ通信カード「OmniAccess3500 NLG」
写真1●日本アルカテル・ルーセントのHSDPA対応の無線データ通信カード「OmniAccess3500 NLG」
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 2008年10月15日から17日まで,東京ビッグサイトで開催中の「ITpro EXPO 2008 Autumn」。会場内のインターネットイニシアティブ(IIJ)のブースでは,企業向けモバイル・アクセスサービス「IIJモバイル」のさまざまなソリューションを展示している。

 同社は10月14日に日本アルカテル・ルーセントと協業を発表。アルカテルのモバイル・ノート・パソコン向けセキュリティ製品「OmniAccess3500 Nonstop Laptop Guardian(NLG)」と,「IIJモバイル」を組み合わせたサービスを提供するとしている。具体的なサービスの詳細はまだ「検討中」だが,ブース内では,実サービスが想像できるような「OmniAccess3500」のデモが参考出展されている。

 「OmniAccess3500 NLG」は,HSDPA対応の無線データ通信カード(写真1)。カード内にバッテリー,メモリー,CPU,各種の制御ソフトウエア,GPSなどが内蔵されており,ノート・パソコンとは独立して動作するのが特徴だ。企業などの拠点に専用のゲートウエイ装置を導入し,モバイル・パソコンに専用ソフトをインストールしてOmniAccess3500 NLGを挿し込んでおけば,ゲートウエイとカードの間でVPN接続が可能となる。管理者は,企業の拠点側からリモートでカードを介してパソコンにアクセスできる。

 あらかじめ専用ソフトでパソコンのハードディスクを暗号化しておけば,暗号化のキーはカード内にあるため,カードを抜いた状態ではディスクにアクセスできない。紛失や盗難に遭った場合には,GPSで位置を確認することが可能だ。パソコンのハードディスクに,OmniAccess3500 NLGから操作できる専用の領域(仮想ドライブ)を作成しておくことも可能。この領域は管理者からリモートで消去できる。「初期の機能では,パソコンの電源が切れている場合はカードからのアクセスはできない。ただし,OmniAccess3500 NLGではサードパーティ向けにAPIを公開しているので,このAPIとWindowsのWake On Lan機能を組み合わせたソフトウエアなどを開発すれば,リモートでパソコンを起動して操作することもできる」(同社説明員)。

 IIJは「IIJモバイル」のラインアップの一つに,このOmniAccess3500 NLGの機能と,HSDPAのモバイル・アクセス・サービスを組み合わせたサービスを用意する方針。2009年3月末までにサービスの提供を開始する予定だが,料金体系などは未定だ。

 IIJブースには,ほかにも2008年10月1日にリリースした「大規模コンテンツ配信サービス」のデモや,各種メール・セキュリティのサービスなどが出展されている。