ウィルコムが10月15日から始まったITpro EXPO 2008 Autumnの会場内で,次世代PHS「WILLCOM CORE」のコンセプト端末を日本初公開している。

 コンセプト端末は,WILLCOM COREで受信した電波をWi-FiやBluetoothに変換して再送信するタイプ。これによってWILLCOM CORE端末の周りが“ホットスポット化”し,Wi-Fi機能やBluetooth機能を内蔵したパソコンやゲーム機,PDAなどがネットワークにつながる仕組み。

 会場では十徳ナイフのようなタイプ(写真1)や,錠前型(写真2),キューブ(写真3)などユニークな形状が並んでいる。2008年9月にタイのバンコクで開催された「ITU TELECOM ASIA 2008」でも披露したというが,日本では初のお披露目となる。「あくまでコンセプト端末だが,受信した電波を多くの機器が搭載する無線LANなどに変換することで,様々な機器で次世代PHSが利用可能になる。ユーザーのアイデア次第によって使い方は広がる」と,ウィルコムの説明員は話す。

写真1●十徳ナイフのような形状のWILLCOM CORE端末。次世代PHSで受けた電波を無線LANとBluetoothに変えて送信する
写真1●十徳ナイフのような形状のWILLCOM CORE端末。次世代PHSで受けた電波を無線LANとBluetoothに変えて送信する
[画像のクリックで拡大表示]
写真2●錠前型のコンセプト端末
写真2●錠前型のコンセプト端末
[画像のクリックで拡大表示]
写真3●キューブ形状のコンセプト端末
写真3●キューブ形状のコンセプト端末
[画像のクリックで拡大表示]

 またWILLCOM COREの試験基地局と試験端末を設置し,高精細映像を送信するデモも実施している(写真4)。10MHzの帯域幅を利用し,ピーク速度は13M~19Mビット/秒程度,平均速度は3M~6Mビット/秒程度出ていた(写真5)。「まだ安定度は足りないが,本サービス開始に向けてパフォーマンスを上げていきたい」(説明員)という。

 WILLCOM COREは,2009年春に首都圏など一部エリアで試験サービスを開始予定。2009年10月の正式サービススタートを目指している(関連記事)。

写真4●WILLCOM COREの試験基地局と試験端末
写真4●WILLCOM COREの試験基地局と試験端末
[画像のクリックで拡大表示]
写真5●10MHzの帯域幅を利用し,ピーク速度は13M~19Mビット/秒程度出ていた
写真5●10MHzの帯域幅を利用し,ピーク速度は13M~19Mビット/秒程度出ていた
[画像のクリックで拡大表示]