米Microsoftはオランダで現地時間2008年10月14日,VoIP機能付きユニファイド・コミュニケーション(UC)サーバーの新版「Microsoft Office Communications Server 2007 Release 2(OCS 2007 R2)」を発表した。現在はプライベート・ベータ版のテスト中で,正式版は2009年2月3日に世界同時リリースする予定。

OCS 2007は,同社が企業向けUC戦略の中核コンポーネントに据える製品。メール/VoIP/ビデオ/インスタント・メッセージング(IM)/Web会議/プレゼンスといった機能を単一プラットフォーム上で統合し,「Microsoft Office」「Microsoft Exchange Server」「Office SharePoint Server」と連携させる(関連記事:Microsoft,「Office Communications Server 2007」などユニファイド・コミュニケーション製品を発売)。

 新版は音声会議機能を追加し,通信コスト削減とコラボレーション促進を支援する。遠隔/モバイル・ユーザー向けの音声コミュニケーション機能も強化した。OCS 2007の通信機能をほかのアプリケーションから利用できるようにするため,新たな開発ツールも提供する。

 新版のダイヤルイン音声会議機能は,高額な専用システムを導入する必要がなく,ほかの通信手段とインフラを共有するので利用しやすい。Web対応インタフェースでWindows/Mac OS X/Linux端末ユーザー同士がデスクトップを共有し,音声会議や共同作業を始めることも可能。グループ・チャット機能は後の監査や検索に使えるよう,XML形式のファイルでログを残す。

 通話や音声会議を秘書/オペレータなどが代表して受けた後に担当者へ転送する機能,複数のSIP回線を集約する機能も搭載する。顧客問い合わせセンターなど向け機能として,待機中の発信者に応答する順番をラウンドロビン方式や待機時間順などで決められるようにした。モバイル機器向けOCS 2007用クライアント・ソフトウエア「Microsoft Office Communicator Mobile」に機能拡張を施し,「Nokia S40」「Motorola RAZR」「BlackBerry」や各種「Windows Mobile」デバイスでUCを利用できるようにする。

[発表資料(その1)]
[発表資料(その2)]