英BBCは2008年10月8日(現地時間),見逃し視聴サービス「iPlayer」の携帯機器対応を強化し,番組のダウンロードサービスを開始したことを開発者ブログで報告した(開発者ブログ)。BBCはこれまでiPhone向けのiPlayerサービスをストリーミング方式で提供しているが,携帯機器向けに番組をダウンロード方式で提供するのは今回が初めてとなる。

 対応機器はWindows DRMで著作権保護されたコンテンツをサポートする機器で,次のポータブルメディアプレーヤーで動作確認が取れているという。
・Sony Walkman E and S series
・Archos 605 WIFI and Internet Media Tablet
・Philips GoGear 52xx series
・Samsung YP-P2 and YP-Q1

 上記のポータブルメディアプレーヤーはインターネット接続機能を持たないため,ダウンロードで番組を提供することにしたという。BBCはこれ以外にもWindows DRMに対応し,パッケージに「PlaysForSure」の表記がある製品は今回発表したダウンロードサービスを利用できる可能性があるとしており,動作確認がとれ次第対応機種のリストを更新する(対応機器リスト)。

 番組を携帯機器で見るには,まずパソコンでiPlayerのサイトにアクセスし,見たい番組を探し,再生画面の下にある「Download for Media Players」と書かれたオプションボタンをクリックする。すると動画ファイルのダウンロードが始まるので,パソコンのハードディスクの好きな場所にファイルを保存する。続いて携帯機器をパソコンに接続し,先ほどダウンロードした動画ファイルを携帯機器にコピーすればよい。パソコンの「Windows Media Player」を使って,ダウンロードした番組を自動的にプレーヤーに同期させることもできる。なおこの操作はWindowsパソコンでしか動作せず,Mac OSあるいはLinuxの利用者向けには近々別の手段を提供する予定である。

 ダウンロードサービスで提供される動画は,ポータブルメディアプレーヤー向けにトランスコードしたもので,画面サイズが320×180画素,映像部分が500kb/s,音声部分が48KkHz-128kb/sのWMV形式のファイルである。

 また,今回携帯電話機のNokia N96にもダウンロードサービスを提供する。N96はインターネット接続機能を持つため,パソコンを介さずに携帯電話機から直接iPlayerのサイトにアクセスし,番組をダウンロードできる。著作権保護にはOMA(Open Mobile Alliance) DRMを用いている。新しく発売される携帯電話機やそのほかのデバイスでOMA DRMをサポートする機器でも,iPlayerのダウンロードサービスが利用できるようになる見込みである。