マイクロソフトは2008年10月10日,Webブラウザ上でリッチ・コンテンツを表示するためのプラグイン「Microsoft Silverlight」の最新バージョン,「Silverlight 2」の概要を発表した。新しい機能として,デジタル著作権管理(以下,DRM)の新技術「Microsoft PlayReady」をベースとした「Silverlight DRM」を追加した。Silverlight DRMにより,これまでWindows OSでのみしか利用できなかったWindows Mediaコンテンツが,Mac OSでも再生できるようになる。

 Silverlightは,Webブラウザ上で動画や画像を使ったリッチ・コンテンツを表示するためのプラグインである。WindowsやInternet Explorerではない他社製のOSやWebブラウザを使っているユーザーも,同じリッチ・コンテンツを表示できるようにする。Silverlight 2は,Windows XPとWindows Vistaのほかに,Mac OS Xにも対応する。また,Webブラウザとしては,Internet Explorer以外に,FirefoxおよびSafariで利用できる。

 Silverlight 2では,新たに「Silverlight DRM」というデジタル著作権管理の機能が追加された。Silverlight DRMにより,配信される音楽や動画などのデジタル・コンテンツを,不正な配布や変更を制限しながら,携帯電話端末やパソコンなど複数のデバイスで利用できるようにする。Silverlight DRMの大きな特徴は,既存のWindows Media DRMと互換性があること。つまり,今回のSilverlight 2の登場で,これまでWindowsでしか利用できなかったWindows Mediaのコンテンツが,Mac OSでも利用できるようになる。Silverlight 2によって,Macユーザーが楽しめるデジタル・コンテンツの種類が一気に広がる。すでに,ヤフーがメジャー・リーグ(MLB)日本語公式サイト「MAJOR.JP」で,Silverlight 2ベータ版のSilverlight DRMを使った動画配信サービスを公開している。

 Silverlight 2の正式版のリリースは,2008年10月第3週中を予定する。同社のホームページから,Silverlight 1.0からのバージョン・アップ,および新規ダウンロードができる。

 Silverlight 2では,開発言語の選択肢も増えた。JavaScriptに加えて,Visual Basic,C#,IronRuby,IronRythonの開発言語に対応する。Silverlight 2に対応する開発ツールも順次リリースする。デザイナー向けツール「Microsoft Expression Studio2」のService Pack 1を2008年11月中旬に,開発者向けツール「Microsoft Visual Studio 2008」のService Pack 1を2008年11月下旬に提供開始する予定だ。