米MicrosoftのコアOS開発担当副社長Ben Fathi氏は米国時間2008年10月8日,次期クライアントOSの「Windows 7」(開発コード名)にはセキュリティ機能「ユーザー・アカウント制御(UAC:User Account Control)」の改良版を搭載すると発表した。Windowsのセキュリティと安定性は確保しながら,ユーザー操作の中断を減らして使い勝手を改善したい考え。

 UACは「Windows Vista」に導入された機能で,マルウエアの侵入やシステム設定の不用意な変更を防ぐことが目的。システムの設定変更やプログラムのインストールなど,セキュリティに重要な影響を及ぼすような処理を実行しようとすると,デスクトップを暗転させて操作継続の意思を確認したり,パスワード入力を求めたりする。知らない間にうっかり危険な操作をしてしまったり,気付かないうちに危険なマルウエアが組み込まれるといったことが発生するのを防ぎ,パソコンのセキュリティ・レベルを保つのに役立つ。

 ただし,「特に知識の豊富な」(同社)ユーザーからは余計な操作が煩わしいといった苦情が寄せられたという。これを受けて同社は,操作確認プロンプトの表示回数を減らすとともに,設定や仕組みを理解しやすいようメッセージを見直すなど,UACの改良に取り組む。

 Windows 7は,2010年初めごろにリリースする予定の次期クライアントOS。2008年10月末の開発者会議「Professional Developers Conference(PDC)2008」でベータ版が配布される見込み(関連記事:Microsoft,2010年リリース予定の次期OS「Windows 7」はVistaとの互換性を維持Microsoft,10月末のPDCに先立ち次期OS「Windows 7」の社内テストを開始)。

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