米アマゾン・ドットコムは2008年10月9日(米国時間)、クラウド型ストレージ・サービス「Amazon S3」の料金を値下げすると発表した。従来は容量に関係なく1Gバイト当たり月額0.15ドルだったが、11月1日から段階制料金制度とし、500Tバイトより多く利用する場合は同0.12ドルとする。子会社の米アマゾン・ウェブサービスを通じてサービスを提供する。

 Amazon S3は、WebサービスAPIを使って開発者が任意のデータをアマゾンが運用するストレージに保管できるサービス。保存した容量と転送量、リクエスト数に応じてアマゾンに料金を支払う。今回同社が実施したのは、保存した容量に応じた料金の値下げである。最初の50Tバイトまでは1Gバイト当たり月額0.15ドル、以後100Tバイトまでは同0.14ドル、500Tバイトまでは同0.13ドル、500Tバイトを超える場合は同0.12ドルとした。

 転送量やリクエスト数に関連する料金は変更していない。Amazon S3に対して送信(書き込み)される通信に関して、転送量1Gバイト当たり月額0.1ドルを課金する。Amazon S3から送信(読み出し)される通信に関して、転送量10Tバイトまでは1Gバイト当たり月額0.17ドル、以後50Tバイトまでは同0.13ドル、150Tバイトまでは同0.11ドル、150Tバイトを超える場合は同0.1ドルを課金する。このほか、Amazon S3に対する書き込みのリクエストに関しては、1000件ごとに0.01ドルを、Amazon S3に対する読み出しのリクエストに関しては1万件ごとに0.01ドルを課金する。

 アマゾンでは併せて、Amazon S3のユーザー数なども公表している。現在、Amazon S3には290億個のデータが保存されており、そのうちの220億個が直近の四半期に書き込まれたものだという。ユーザーからのリクエスト数は膨大で、08年10月1日にはAmazon S3に対するデータ保存や削除、回復といったリクエストが毎秒7万件発生したとしている。