スマートフォン・メーカーのカナダResearch in Motion(RIM)は2008年10月8日(米国時間),待望のタッチスクリーン搭載版「BlackBerry」を発表した。当初流れた報道に誤りがないなら,新型デバイスの名称は「BlackBerry Storm」で,スマートフォンの新たな流れを生み出す革新的な米Appleの「iPhone」に対抗できる製品となるはずだ。米国では,米Verizon Wirelessを通じて提供される。

 Verizon副社長のMike Lanman氏は「Stormを使えば,地元だけでなく世界中のどこにいても,個人的および仕事上の目的でネットワーク接続できる手段が増える」と述べた。「Stormは,信頼性の高い当社の第3世代(3G)ネットワークと頼もしく効率的なBlackBerryプラットフォームを連携させ,究極の無線接続環境を作りだし,地球上で入手可能な最高のスマートフォンとなる」(Lanman氏)

 これまでのBlackBerryデバイスは,例外なく(1)企業のメール・サーバーとスムーズに統合可能,(2)驚くほど使いやすいうえに小型ハードウエア・キーボードを搭載,という二つの大きな特徴を持っていた。これに対し,Stormでメール・サーバーとの接続性は変わらないものの,キーボードがなくなり,iPhoneとよく似た大きなタッチスクリーンが代わりに採用される。ただし,StormのタッチスクリーンはiPhoneに欠けていた点をいくつか補うので,操作性がよくなる。まず,BlackBerry Stormのタッチスクリーンは格子状に配置されたスプリングに支えられており,画面を押したことが触覚で分かるようになっている。

 さらにStormは,互換性のない通信方式をそれぞれ採用する世界2大携帯電話キャリアのネットワークに対応し,iPhoneを大きく引き離す。そのため,米国でVerizon向けに提供するのと全く同じデバイスを,英Vodafone Group向けにも販売できる。2種類の通信方式に対応しているため,国際ローミングが容易に行える。通信方式や場所を問わず,その時点で最良の携帯電話ネットワークを使うことも可能になる。

 使い勝手の点では,Webブラウザが優れている。画面を押す力の強弱が検出可能で,クリックとカーソル移動を使い分けられる。これはiPhoneにできない芸当だ。

 RIMによると,Stormは2008年中に発売する予定という。ボディ・カラーは複数あり,バッテリは取り外し可能で,Micro SDメモリー・カード用のスロットを備え(どれもiPhoneの負けだ),1Gバイトのメモリーを内蔵する。価格はまだ公表されていないが,ライバルのiPhoneと同程度になるだろう。