インテルは2008年10月8日,企業向けパソコンを対象としたブランド「vPro」の強化を発表した。2006年の発表から昨年に続く2回目の強化となり,今回で第3世代のvProになる。

 vProとは,企業のシステム担当者が効率的に管理するための機能を装備したパソコンに対して付けるブランド名である。管理機能を,CPU,チップセット,LAN制御チップといった基本部品にあらかじめ組み込んでおくことで,パソコンがどのような状況であっても管理作業を実行できるのが特徴だ。パソコン内部の基本的な部分で動作しているため,OSやアプリケーションの状態に関係なく,仮にハングアップしてしまった状態でも管理可能である。電源が付いていないパソコンでも最低限の通信ができる状態になっており,必要に応じて起動させることもできる。

 今回の第3世代ではvProパソコン側から管理作業を能動的に実行できるように強化した点が新しい。これにより,社外にもちだしたvProパソコンから社内の管理ツールに接続を要求して,管理ツール側から必要な管理作業をすることが可能となる。たとえば,出先でトラブルが発生した場合にも,会社の管理ツールを呼び出してヘルプデスクを受けられる。これまでは,管理者が使う管理ツールからvProパソコンに対して命令を送る形でしか動作できなかったため,ファイアウォールの外にもちだしたパソコンには管理ツールからの命令が届かず,vProの管理機能を利用することができなかった。

 また,パソコンに定期保守用プログラムを組み込んで,自動的に管理プログラムを実行する「リモート・スケジュールド・メンテナンス機能」を追加した。これを併用することで,毎日決まった時間に社外に持ち出しているパソコンを含む全パソコンから保守接続させて,システムの状況を監視することもできる。

 第3世代のvProを利用するには,CPUに省電力機能を搭載した「Core2 Quad」または「Core2 Duo」,チップセットには「Q45 Expressチップセット」,LAN制御チップには「82567LMギガ・ビット・ネットワーク・コネクション」をパソコンに搭載する。これらを搭載した第3世代vProパソコンは,NECや富士通などパソコン・メーカー8社から順次出荷される。