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 米Mozillaの研究部門であるMozilla Labsは米国時間2008年10月7日,オープンソースのWebブラウザ「Firefox」で位置情報を活用するための実験的なアドオン「Geode」を発表した。開発者はGeodeにより,Firefox 3を使って位置データに基づいたWebアプリケーションを試すことができる。

 同社は,将来版Firefoxにおいて,W3Cが定めた地理情報取得の仕様「W3C Geolocation」をサポートする予定で,Geodeはその早期インプリメンテーションを提供するとしている。

 Wi-Fiによる測位には,米Skyhook Wirelessの「Loki」技術を採用する。Mozilla Labsによると,Geodeは10~20メートルの誤差内なら,通常1秒以内で位置を特定できるという。

 Geodeにより,たとえば,知らない土地に行って,自分がどこにいるかよく分からなくても,ノート・パソコンでFirefoxを立ち上げて,食事ができる店を探し,その店に関するレビューを閲覧して,表示された道順に従って店に行くことが可能になる。そのほか,ニュース・サイトの地方コンテンツが,ユーザーの居る地域に合わせた内容を変えたり,自宅あるいは職場などの特定の場所からのログインのみを承認するといったアプリケーションも想定している。

 プライバシに関しては,Webサイトがユーザーの位置をリクエストする際に,どの範囲まで位置情報を返して良いか確認するバーを表示する。ユーザーは,詳細な場所,近辺の区域,市や町などを選択できる。

 すでにミニ・ブログ「Pownce」と米Yahoo!の位置情報プラットフォーム「Fire Eagle」が,Geodeを用いたサービスの構築を始めているという。

 なお,W3C GeolocationのAPI実装は,今後リリースする「Firefox 3.1」ベータ版で実施する。

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