写真 軽量で動作するLinuxディストリビューション「Puppy Linux 4.1」のデスクトップ画面
写真 軽量で動作するLinuxディストリビューション「Puppy Linux 4.1」のデスクトップ画面
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 2008年10月7日に,オーストラリアのBarry Kauler氏が開発するLinuxディストリビューションの新版「Puppy Linux 4.1」(写真)が公開された。ライブ形式を採用しており,CDから直接起動してLinuxを利用することができる。

 また,Puppy Linuxは軽量に設計されているのが特徴だ。ISOイメージの本体は94Mバイトと100Mを切っている。また,本体が小さいため,メイン・メモリー上にPuppy Linuxのファイル・システムをすべて保存してしまうことができる。CD-ROMにアクセスがなくなる分,高速にアプリケーションを起動できるようになる。

 その他にも,また,軽量の統合デスクトップ環境の「JWM」が採用や,GUIツール・キットをGTKに絞り込むことでQTやTcl/Tkといった別のGUIツール・キットのライブラリを搭載する必要がない,オープンソースの統合環境の「T2 SED」で開発を行うことで不必要な機能を搭載しなくてすむ,などの軽量化のために工夫が施されている。

 最新版では,カーネルに2.6.25.16が採用された。また,カーネルの2.6.21.7が搭載されたISOイメージの「retro」も同時に公開している。retroを利用することで,古いIDE規格のドライブなど,古いハードウェアでも動作することが可能である。

 また,起動手順を記載している「/etc/rc.d/rc.sysinit」スクリプトの内容が見なおされ,Puppy Linuxの起動時間を短縮している。

 搭載するアプリケーションでは,IP電話サービスを利用するクライアント・アプリケーションの「Psip VOIP」,個人向けブログ機能を提供する「PPLOG blog」,オーディオ・プレーヤの「Pmusic audio player」などが新たに追加された。また,PPLOG blogでは,Webサーバーの「Hiawatha」上で動作するようになっている。

 そのほか,各種アプリケーションのバージョンアップや不具合の修正などが施されている。

 現在,Puppy Linux 4.1は英語版のみ公開されている。Puppy Linuxを日本語化して提供するオープンラボラトリ(http://openlab.jp/puppylinux/)では,4.00ベースのパピーリナックス日本語版 4.00.4が公開されている。