米IBMは米国時間2008年10月6日,クラウド・コンピューティング向けの各種ソフトウエアやサービス,独立系ソフトウエア・ベンダー(ISV)支援策などを拡充させると発表した。ソフトウエア販売に重点を置いていた従来型ビジネス・モデルから脱却し,ソフトウエアとクラウド・アプリケーションを混在させたサービス形態への移行を図る。

 クラウド・コンピューティング事業を強化するため,同社は(1)自社製クラウド・サービス群の提供,(2)クラウド・サービスを設計/構築/提供/販売するISVの支援,(3)業務にクラウド・サービスを導入する顧客の支援,(4)業務向けクラウド・コンピューティング環境の提供,という4項目を中心に戦略を展開していく。全世界に13カ所あるクラウド・コンピューティング・センターと40カ所ある研究施設「IBM Innovation Center」を拠点として,クラウド・サービスに詳しい担当者が顧客およびISV/パートナ企業の取り組みに協力する。

 クラウド・サービス経由でサーバー/ストレージ/ネットワーク仮想化/サービス管理ソリューションなどのITリソースを提供し,負荷管理,利用状況の記録,課金,セキュリティ設定といった機能の自動化を実現させる。

 具体的なクラウド・サービスとして,Web対応ソーシャル・ネットワーキング/コラボレーション・ツール「Bluehouse」(ベータ版)の無償提供をWebサイトで開始した。また,Web会議サービス「Lotus Sametime Unyte」をコラボレーション・ソフト「Lotus Notes」およびインスタント・メッセージング(IM)プラットフォーム「Lotus Sametime」に組み込む計画もある。Webコンテンツ/アプリケーションを検査する「IBM Rational Policy Tester OnDemand」「IBM Rational AppScan OnDemand」,ソフトウエア管理ツール「Telelogic Focal Point」,データ保護サービス「Remote Data Protection」も提供する。

 ISVに対しては,クラウド対応サービスの設計/構築に役立つ技術文書やオンライン・デモンストレーションを用意し,コードのダウンロード提供を行う。さらに,マーケティング資料の提供,無料Webカンファレンスの開催なども予定している。

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