イー・モバイルとイー・アクセスは2008年10月6日,次世代の高速無線通信技術「LTE」(long term evolution)の実証実験を東京都港区周辺で12月下旬から開始すると発表した。同日,イー・モバイルが総務省に実験試験局免許を申請した。2011年前半の導入を目指す。

 実験は2008年12月下旬から2009年5月31日にかけて実施する。港区新橋をはじめ,虎ノ門,芝に合計3局の基地局を設置し,マルチセル/マルチユーザー環境における電波伝搬やスループット,MIMO(multiple-input multiple-output)の伝送性能などを検証する。VoIP(voice over IP)やストリーミング,オンライン・ゲームなどのアプリケーションを利用した実験も行う。周波数は1.5GHz帯を利用し,帯域幅は当初10MHzで検証する模様。20MHz幅を使用した実験も視野に入れる。基地局および端末のベンダーは非公開。

 LTEは3GPPが第3世代携帯電話システム(3G)の長期的な発展を目的に標準化を進めている規格。米AT&Tモビリティ,米ベライゾン・ワイヤレス,独Tモバイル,英ボーダフォン,仏オレンジなどが既に採用を表明しており,国内ではNTTドコモが導入に向けた準備を積極的に進めている。NTTドコモは2008年3月にLTEの実証実験で下り最大約250Mビット/秒のパケット伝送に成功した(関連記事)。

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