ソフトバンクIDCは2008年10月2日、福岡県北九州市に建設したデータセンター「アジアン・フロンティア」を竣工したと発表した。新たに「GreenMall」と呼ばれるデータセンター用建築構造を採用。発生した熱をデータセンターの外に放出する仕組みなどを取り入れ、エネルギー効率を高めた。従来型データセンターよりも2割以上空調の消費電力が少ないという。

 アジアン・フロンティアの特徴は三つある。天井や上げ床の高さを増やして内部の空気の量を増やし、室内の温度が上昇しにくくしたこと。二つめは、サーバー排熱を特定の区画に密閉することで、冷気と混ざらないようにしたことである。

 三つめは、気温が低いときに外気を取り込み、サーバーによって熱せられた空気は冷やさずに外に放出する仕組みを採用したこと。従来型のデータセンターはサーバー廃熱をすべて空調機で冷却するが、GreenMallを採用したアジアン・フロンティアでは外気を利用することによってその比率を下げた。

 アジアン・フロンティア全体では12棟のデータセンターを構築する計画。第一期建築分は2棟で、10月2日時点で1棟の建築が完了した。500ラック分のIT機器を収容できる。もう1棟は2009年3月に竣工予定である。顧客のニーズに合わせて、残りの棟を建築する。ソフトバンクIDCは第一期分だけで約70億円を投じている。