NTT東西地域会社は2008年10月1日,NGN(次世代ネットワーク)を活用した企業向けの光アクセス回線サービス,「フレッツ 光ネクスト ビジネスタイプ」を10月2日から提供開始すると発表した。最大通信速度はおおむね1Gビット/秒。多数のパソコンでインターネット接続を共用したり,拠点間で大容量のデータを高速に送受信したい企業向けに提供する。1ユーザーが最大1Gビット/秒を利用できる品目は,フレッツ・シリーズとしては初めて。

 ただし,屋外のアクセス回線は1ユーザーで占有できるが,NTT局舎内で一部,他のユーザーとの共有部分があるベストエフォート型のサービスとなる。完全に1Gビット/秒を占有できるわけではない。

 月額利用料は,回線利用料が4万2000円,回線終端装置利用料が945円,屋内配線利用料が210円。合計で4万3155円となる。既存サービスのBフレッツのビジネスタイプ回線と同額である。このほか,インターネット接続事業者(ISP)に支払うインターネット接続料金などが発生する。

 提供エリアは,「フレッツ 光ネクスト」シリーズが提供可能になった地域から順次拡大する。10月1日時点では,東日本地域は東京都,神奈川県,千葉県,埼玉県,宮城県の主要都区部,西日本地域では,大阪府の大阪市全域など市外局番06地域で利用可能である。

 今回の新サービスにより,ビジネスタイプ回線でNGNの特徴である帯域確保型のアプリケーションが利用できるようになった。例えば,シスコシステムズは同日,同社のテレビ会議ソリューション「Cisco TelePresence」が,フレッツ 光ネクストビジネスタイプ回線に対応したと発表した。同回線と組み合わせることで帯域確保が可能になり,安定したハイビジョン画質のテレビ会議が可能になったとしている。

 NTT東西によれば,今後もサードパーティから,帯域確保機能に対応したテレビ会議システムなどが発売される予定だという。ただし,NTT東西が販売するテレビ電話端末「フレッツフォン」シリーズのハイビジョン画質への対応は未定である。

 なお現段階では,「フレッツ 光ネクスト」シリーズ向けに提供しているNGN対応のVPNサービス「フレッツ・VPNゲート」「フレッツ・VPNワイド」のアクセス回線として,今回のビジネスタイプを利用することはできない。「今後のユーザーニーズと合わせて対応時期を検討する」(NTT東西・広報)としている。

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■変更履歴
当初,記事タイトルを「TV会議システムに対応」としていましたが,正しくはTV会議システムがNTTのNGNの仕様に対応したものです。お詫びして訂正します。 [2008/10/02 13:00]