米RealNetworksは米国時間2008年9月30日,手持ちのDVDをパソコンのハード・ディスクに保存して再生できるソフトウエア「RealDVD」の一般向け発売を開始した。同時に,「大手映画会社からの圧力に対処するために」(同社),訴訟を起こす意向であることを明らかにした。

 RealDVDは,9月初頭に投入計画を発表していた(関連記事:DVDをパソコンにコピーするソフト,RealNetworksが発売へ)。1枚のDVDをコピーするのに要する時間は10~40分で,4~8Gバイトのディスク領域を使用する。元のDVDのデータをそのままコピーするため,映像の劣化はないという。CSSによる暗号化も元のまま維持される。最大5台のパソコンで再生可能だが,同じユーザーにライセンスされたRealDVDをインストールしていないと再生できないため,コピーした作品のネットワーク配布や他人との共有は行えない。

 RealNetworksは,同ソフトウエアが米DVD著作権管理協会のライセンス規約に完全に準拠するものとなることを目的とし,DVD 著作権管理協会をはじめ,米Disney Enterprises,米Paramount Pictures,ソニーの米国法人Sony Pictures Entertainment,米Twentieth Century Fox Film,米NBC Universal,米Warner Bros. Entertainment,米Viacomを相手取り,米カリフォルニア州北部の連邦地方裁判所に訴訟を申請する予定だという。

 同社はこの訴訟について,「購入したDVDに対する消費者のフェアユースの権利を保護するための行動」と主張。「映画業界が音楽産業のあとを追って,消費者の購買行動により高い価値と柔軟性をもたらす変化を受け入れるより,技術の進歩を阻止しようとしていることを残念に思う」と述べた。

 RealDVDは同社Webサイトを通じて販売している。対応OSはWindows XP SP2/Vista。小売り販売価格は49.99ドルだが,期間限定でキャンペーン価格29.99ドルで提供する。なお,現時点で日本への販売は行っていない。

[発表資料(1)]
[発表資料(2)]