「EOS名人.NET」のマッピング・ツール画面
「EOS名人.NET」のマッピング・ツール画面
[画像のクリックで拡大表示]

 ユーザックシステムは,大手小売店などに商品を卸す業者やメーカーに向けて,流通業向けインターネットEDI業務ソフトの新版「EOS名人.NET」を,2008年9月30日に販売開始した。2008年10月末に出荷する。価格は,パソコンでのスタンドアロン利用を想定したStandard版が35万円(税別)から,商用DBMSやサーバーOSを前提としたEnterprise版が120万円(税別)から。

 EOS名人.NETは,流通業界向けEDIミドルウエア。EDIメッセージ標準仕様「流通ビジネスメッセージ標準」(流通BMS)の「基本形Ver.1.1」として定められた,発注/出荷/受領/返品/請求/支払の6業務8種の標準メッセージを扱える。これらのメッセージをやり取りする通信手順(通信ソフト)と,メッセージを利用した出荷伝票などの帳票作成,物流システムとの連携,など,流通BMSに参加する卸/メーカーに必要な業務一式をパッケージ化している。

 取引先からメッセージ・データを取得するための通信ソフトは,別売りとなる。標準で,インターネットEDI向け通信手順のうち,クライアントがサーバーに対してデータを取りにいくという形態によってクライアント側でのシステム導入を容易としたSOAP-RPC型の「JX手順」のクライアント機能を用意する(価格は15万円(税別)から)。また,レガシー・プロトコル(JCA,全銀手順,全銀TCP/IP手順)の通信モジュールも順次用意する予定である。

 今回の新版では,従来版と比べて,主に以下の3つの強化を施した。(1)標準で搭載している流通BMSメッセージのデータ・レイアウトを,2008年3月にマイナー変更された「基本形Ver.1.1」のフォーマットに対応させた。(2)取引先の追加などデータ・レイアウトの変更/追加の際に,項目名と項目名のマッピングなどを視覚的に実施できるツールを追加した。(3)利用者の認証や操作ログの保存など,内部統制のためのセキュリティ機能を追加した。

 稼働環境は,.NET Framework 3.5を導入したWindows OSである。EOS名人.NETのStandard版は,XPやVistaなどクライアントOSとクライアントPCによるスタンドアロンでの利用を想定。同版はデータベース・ソフトとして,無償のSQL Server 2005 ExpressEditionを同こんする。一方で,Enterprise版は,稼働OSがWindows Server 2003となり,データベースとして外部のSQL ServerまたはOracle DBが必要。なお,Standard版とEnterprise版の間に機能の差はない。