富士通は2008年9月26日,NTTドコモが提供する予定の次世代携帯電話規格「Super 3G」のコア・ネットワーク・システムの提供ベンダーに選定されたと発表した。

 今回,富士通が提供することになったのは,Super 3Gのコア・ネットワーク・システム「EPC」(evolved packet core)を構成する,「S-GW」(serving gateway)と「P-GW」(PDN gateway)の2種類の装置。S-GWは,第3世代(3G)システムとSuper 3Gシステムのユーザー・データ(音声やパケット)を中継する。一方のP-GWは,EPCとIMS(IP multimedia subsystem),またはインターネット・サービス・プロバイダ(ISP)や企業ネットワークなど外部ネットワークとのインタフェースを提供する。

 「いずれも,フィンランドのノキア・シーメンス・ネットワークスの製品をベースに,ソフトウエア部分で富士通独自の作り込みをした装置を提供する」(富士通広報)見通し。なお,同社は2006年にSuper 3Gの基地局開発ベンダーにも選定されている(関連記事)。

 Super 3Gは,3G携帯電話の拡張規格「LTE」(long term evolution)に対する,NTTドコモによる通称。3Gを発展させた規格であり,第4世代(4G)携帯電話の一歩手前のシステムでもあるため3.9Gと呼ばれることもある。LTEは現在,3GPP(Third Generation Partnership Project)で仕様の策定が進められている。2008年末には仕様策定が完了する見通し。その後,NTTドコモは2009年末までにSuper 3Gの技術開発を終える方針だ。

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