ターゲット型オンライン広告に関するプライバシ問題の懸念が高まる中,米上院通商科学運輸委員会が米国時間2008年9月25日に開いた公聴会で,米Verizonや米AT&Tなどが,業界の自主規制を呼びかけた。

 公聴会で,同委員会のメンバーであるKay Bailey Hutchison上院議員は,ISPがインターネット・ユーザーのオンライン行動に関する情報を収集し,そのデータを販売しているとされる問題について言及し,ターゲット型オンライン広告に関する透明性の向上を求めた。

 Verizonの広報・製作・通信担当執行バイス・プレジデントであるTom Tauke氏は,「消費者が自身のオンライン行動を管理するためのポリシーを設け,消費者のプライバシを十分に保護するベスト・プラクティスをオンライン企業が一丸となって取り入れることで,消費者の信頼を獲得する必要があると語った。

 また,AT&Tチーフ・プライバシ・オフィサであるDorothy Attwood氏は,「ISPに限らず,検索エンジンや広告ネットワークなど,ターゲット型オンライン広告向けにユーザー情報を追跡および利用しているすべての企業が同様に取り組んではじめて,消費者がオンライン上の自身のプライバシ保護に確信をもてるようになる」と述べた。

 両氏が基本原則として提案する内容には,インターネット利用に関するデータの収集とターゲット型オンライン広告のためのデータ利用について明確な説明を消費者に提示すること,データを収集する前に消費者の同意を得ること,データの利用を始める際に消費者に通知すること,消費者がいつでも企業によるデータ使用を停止できるようにすること--などが含まれている。

[発表資料(Verizon)]
[発表資料(AT&T)]
[発表資料(上院通商科学運輸委員会)]